Q:13戦中12勝しています。今のところ、さぞご満足でしょうね?
菅沼TM(以下HS):ええ、非常に。冬のテストの間、何人かはライバルの方が我々よりも今年は強そうだと思っていましたから、タイヤのパフォーマンスを向上させるのに必死に頑張りました。第1戦(オーストラリアGP)に至るまで、まだ人々は疑っていましたが、メルボルンは現在を暗示するような出発点となり、それ以降も良くなったタイヤのパフォーマンスをお見せできています。ブリヂストン・チームの全員が、今年の活躍ぶりに活気付いていますよ。現時点ではその努力が報われていると思いますし、13戦中12勝というのは、信じられないような功績ですね。
モナコGPで負けてしまったのは残念でしたが、2005年はさらに挑戦しますよ!
Q:ホッケンハイム(ドイツGP)での勝利は、1997年に参入以来、ちょうど90回目でした。これだけの短期間で成し遂げられたブリヂストンの偉業を、大変な誇りに思っているでしょうね。
HS:はい、1997年にF1に参加して以来、8年で90勝を達成できたのは素晴らしい成績です。しかし、その数字というのは、私にはあまり印象深くありません。どちらかというと、タイヤ開発の面で一戦一戦で積み上げたものですね。つまり、ブリヂストンを履いたドライバーが90回も勝ってくれたこと、そのことに満足しています。先週のハンガリーGPでミハエルが勝利したことで、さらに更新しています。
Q:今年の重要なチャレンジのひとつは、気温が上がっても競争力および耐久性のあるタイヤを用意することだと思います。ブリヂストンはこの課題を達成できたと思われますか?
HS:去年、高温下でのタイヤの一貫性とパフォーマンスが、我々の弱点のひとつがでした。ですから、その部分を改良するために集中して取り組みましたよ。結果として、高温下でもタイヤは良いパフォーマンスができていると思います。非常に進歩しましたね、(フランス)マニ‐クールやホッケンハイムでお見せしたように。
Q:今年のブリヂストンタイヤの特性は優れた一貫性であり、ブリヂストンを履いたチームはストラテジーに工夫が出来るようになりました。こういう特長になさった理由は?
HS:レースでは、先行するか、ポイントを獲得できるように上位でフィニッシュすることが大切です。ブリヂストンの精神は、レースのパフォーマンスこそ重要であるということ。だから、レースタイヤというのはレース距離を走りきる一貫性が必要だと、我々は考えています。タイヤを開発する時にいつも一貫性をチェックし、新しいスペックのものがコントロール重視の現在のタイヤよりも一貫性で優れているとしたら、次のテストで使えるようにしたり、レースでも使えるようにします。
Q:今はテストの禁止期間で、来月のモンツァ(イタリアGP)までテストが出来ません。ブリヂストンのタイヤ開発プログラムに、どのように影響していますか?
HS:テスト禁止期間というのは、コース脇では何もできないけれど、研究所でのテストやコンピュータ・シミュレーションができない訳ではありません。また、期間中に過去のパフォーマンスを振り返ることが出来るという意味でも、時間を賢く使えますし、その分析というのは、残りのシーズンで用意するタイヤのスペックを決める時にも用いられるんですよ。さらに、期間中にそれぞれが個人で元気を回復し、シーズンの残りに精神的、体力的に備えることが出来ますね。