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直近6戦で4回のQ3進出。マルコ博士が「B級」と評したボルトレートの速さと成長【F1第16戦予選の要点】

2025年9月7日

 キック・ザウバーのガブリエル・ボルトレートが2025年F1第16戦イタリアGP予選で、自己ベストタイの7番グリッド(予選結果は8番手。ルイス・ハミルトンの5グリッド降格に伴う)を獲得した。これで6月の第11戦オーストリアGP以来の直近6戦で4回目のQ3進出と、抜群に安定した速さを見せ続けている。


 チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグと比較しても、予選結果に限れば10勝6敗と大きく勝ち越した。そもそも今季前半のキック・ザウバーは開幕以来延々と、Q3に進出できない唯一のチームだった。その壁を第11戦オーストリアGPで破ったのがボルトレートで、それ以来予選一発の速さは絶好調を維持している。

 一方、チームのエースであるヒュルケンベルグはこの6戦で一度もQ3に進出できず、Q1落ちが4回と、かなり対照的な結果に終わっている。


 ただしレースでは、ヒュルケンベルグのベテランの巧さが光る。その最たるものが第12戦イギリスGPでの19番グリッドからの3位表彰台だった。そしてそれ以外のレースでも、17番手から7位の開幕戦オーストラリアGP、16番手から5位のスペインGP、20番手から9位のオーストリアGPなどなど、スタートで大きく順位を上げて入賞をもぎ取ったレースがいくつもある。


 その結果、ヒュルケンベルグはドライバーズランキングで暫定9位につけている。それに対し入賞わずか3回のボルトレートはランキング18位。とはいえこの3回の入賞は、すべて直近6戦で挙げたものだ。

ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)
2025年F1第16戦イタリアGP ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)

 特に第14戦ハンガリーGPでの6位入賞は、前にフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、後ろはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と、ふたりの世界王者に挟まれるなか、ノーミスで走り続けての価値ある結果だった。シーズン中盤以降のボルトレートは、レースの戦い方でも着実に成長を見せていると言っていい。


 もちろんそこには、シーズン中の度重なるマシンアップデートも見逃せない。キック・ザウバーの開発陣が重視したのは、C45の戦闘力向上もさることながら『安定した挙動』、『運転しやすいマシン』にすることだった。ボルトレートがレースでも結果を出し始めたのは、その開発の方向性と無縁ではない。


 シーズン開幕前、レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコ博士は今季のルーキーたちについて、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)やアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)の才能を絶賛する一方で、ボルトレートに関しては「FIA F3では1勝、FIA F2でも2勝しかしていない。B級ドライバーでしかない」と、こき下ろしていた。今はどう評価しているのか、マルコ博士にぜひ聞いてみたいところだ。

2025年F1第16戦イタリアGP ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)


(Text:Kunio Shibata)


レース

9/5(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
9/6(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
9/7(日) 決勝 22:00〜


ドライバーズランキング

※オランダGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ309
2位ランド・ノリス275
3位マックス・フェルスタッペン205
4位ジョージ・ラッセル184
5位シャルル・ルクレール151
6位ルイス・ハミルトン109
7位アンドレア・キミ・アントネッリ64
8位アレクサンダー・アルボン64
9位ニコ・ヒュルケンベルグ37
10位アイザック・ハジャー37

チームランキング

※オランダGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム584
2位スクーデリア・フェラーリHP260
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム248
4位オラクル・レッドブル・レーシング214
5位ウイリアムズ・レーシング80
6位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム62
7位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム60
8位ステークF1チーム・キック・ザウバー51
9位マネーグラム・ハースF1チーム44
10位BWTアルピーヌF1チーム20

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第16戦イタリアGP 9/7
第17戦アゼルバイジャンGP 9/21
第18戦シンガポールGP 10/5
第19戦アメリカGP 10/19
第20戦メキシコシティGP 10/26
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