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【F1第15戦ベスト5ドライバー】典型的なピアストリ的勝利/“ネクスト・フェルスタッペン”登場か
2025年9月4日
長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、各グランプリウイークエンドのドライバーたちの戦いを詳細にチェックし、独自の評価によりベスト5のドライバーを選出する。今回は第15戦オランダGPの戦いを振り返った。
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■「オスカーらしい週末」で圧勝したピアストリ
オスカー・ピアストリ(マクラーレン):予選1番手/決勝1位

ピアストリのオランダGPの週末を、チーム代表アンドレア・ステラが「オスカーらしい週末」と評したが、それは適切な表現といえるだろう。昨年かなり苦戦したサーキットで、FP1をスタートした時点では、ランド・ノリスの最速タイムから約0.3秒遅れだった。そこからピアストリは着実に改善していき、重要な予選Q3ですべてをまとめ上げた。
ポールポジションを獲得したラップにおいて、ターン9とターン10のコーナーではチームメイトに約0.2秒遅れていた。これは旧型のフロントサスペンションを使い続けている代償かもしれない。しかし、バンク角の大きいターン1とターン3でのピアストリのスピードは驚異的で、それによってポールを確保することができた。
日曜決勝をピアストリは完全にコントロールした。マックス・フェルスタッペンがノリスの前を走っている間、ピアストリはタイヤを温存しつつ、フェルスタッペンとの差を拡大。ノリスが2番手に浮上し、ピアストリを追い始めてからも、それなりのギャップを維持した。
スタートもリスタートもすべて完璧に決め、オープニングラップをうまく走り切ったことにより、ピアストリは勝利を手にした。レース開始時から一度も危うい場面はなかった。
■“リトル・プロスト”ハジャーが驚異的な走りで初表彰台
アイザック・ハジャー(レーシングブルズ):予選4番手/決勝3位

ヘルムート・マルコは彼を「リトル・プロスト」と呼ぶのを好む。この表現は的確だ。およそ45年前の若きアラン・プロストと同様に、ハジャーのスピードは天性のもので、苦手なサーキットはなく、運転中に感情の起伏もなく、どんなプレッシャーにも動じないように見える。
20歳のルーキーが、レースの大半を、フェルスタッペンとシャルル・ルクレールに挟まれて長時間走らなければならない状況に置かれれば、何かしらのミスを犯し、後方のルクレールからのプレッシャーに屈してしまうのが普通だろう。しかしハジャーは全くそのようなことがなかった。
速く、積極的に走り、ルクレールが後方に迫るたびに的確なディフェンスをし、ハジャーは実力を明確な形で示した。レッドブル社が決断すれば、ハジャーは来年、フェルスタッペンのチームメイトを立派に務めることができるだろう。
2026年型マシンが現行車と同じように運転が難しいとしても、ハジャーなら、プレッシャーに屈することなく結果を出せる気がする。レッドブルは“次のフェルスタッペン”を見つけたのだろうか。それは時がたてば分かるだろう。
■マクラーレンに果敢に挑んだフェルスタッペン
マックス・フェルスタッペン(レッドブル):予選3番手/決勝2位

地元のヒーローはマクラーレンの勝利への道をできるだけ困難なものにするために全力を尽くしたが、ピアストリとノリスに挑めるだけのマシンを持っていなかった。
ソフトタイヤでスタートするという賭けは、序盤に前に出てペースをコントロールし、タイミングよくセーフティカーが入ることを期待してのことだった。しかし、フェルスタッペンはいったんノリスの前に出ることはできたが、ピアストリはターン1とターン3で力強い動きを見せて、首位を維持した。
逆にフェルスタッペンは、ターン2の立ち上がりでスピンしかけて、後退の危険にさらされたが、驚異的な反射神経によってポジションを維持してレースを続行した。
タイヤがだめになり始めると、フェルスタッペンはノリスの追撃をかわすことはできず、予想どおりの3番手に落ち着いた。
ミディアムタイヤに履き替えると、レッドブルがタイヤ戦略で賭けをしたのには別の理由もあることが明らかになった。フェルスタッペンはミディアムではペースが芳しくなく、彼にできたのは後方のハジャーの攻撃を防ぎ、セーフティカー後のリスタートで運を試すことだけだった。
マクラーレンのドライバーたちは一切ミスをしなかったため、フェルスタッペンが順位を上げられる望みはなかったが、ノリスが終盤にリタイアしたことで2位を得た。
■素晴らしい戦いを見せながら、不運にもリタイアしたルクレール
シャルル・ルクレール(フェラーリ):予選6番手/決勝リタイア

シャルル・ルクレールを打ち負かすことはできても、彼を押さえ込んでおくことはできない。フェラーリは週末の序盤から著しくペースを欠いていた。予選開始まではルイス・ハミルトンが常に僅かにルクレールより速かったが、Q3で、いつものようにルクレールは驚異的なラップを叩き出し、再びハミルトンを破った。ルクレールは、ミスを2つほどしなければ4番グリッドだったはずだとすら述べている。
スタート直後の力強い動きでラッセルをすぐにかわしたが、前を行くハジャーは一切ミスを犯さず、ルクレールにはオーバーテイクできなかった。
最初のセーフティカーのタイミングが悪く、ルクレールはラッセルにポジションを奪われた。しかしVSC終了直後に見事なオーバーテイクを決め、接触は起きたものの、ルクレールは5番手を奪い返した。
次のピットストップを終えてコースに出た直後、ルクレールはアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)にヒットされてリタイア。完全に不運な事故によって、ルクレールはその走りに値する結果を手にすることができなかった。しかしスピードと決意に満ちた走りは、間違いなくこのレースのハイライトのひとつだったといえる。
■諦めずに戦ったノリスに残酷なトラブル
ランド・ノリス(マクラーレン):予選2番手/決勝リタイア

ランド・ノリスのタイトル獲得の希望は、オランダGP終了6周前に、文字どおり煙のように消え去ったのかもしれない。しかし、リタイアまでの走りは、彼がシーズン開幕時からチャンピオン候補に残り続けた理由を示すような素晴らしいものだった。
ノリスはプラクティスを完全に支配した。ただ、予選Q3ではすべてをまとめ切ることができず、僅差でピアストリにポールポジションを奪われた。
そして、オープニングラップの序盤でフェルスタッペンに抜かれたことで、チームメイトを打ち破るわずかな望みも絶たれた。しかし評価すべきは、ノリスが最後まで諦めず、45周以上にわたってピアストリから2秒以内につけ続け、常にプレッシャーをかけ続けたことである。
セーフティカー導入時のタイヤ交換では、毎回、チームメイトの後ろでダブルスタックしなければならず、アンダーカットのチャンスは全くなかった。そして最終的には、残酷にもメカニカルトラブルに襲われ、リタイアせざるを得なかった。

(Text : Luis Vasconcelos)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 309 |
2位 | ランド・ノリス | 275 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 205 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 184 |
5位 | シャルル・ルクレール | 151 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 109 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 64 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 64 |
9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 37 |
10位 | アイザック・ハジャー | 37 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 584 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 260 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 248 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 214 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 80 |
6位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 62 |
7位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 60 |
8位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 51 |
9位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 44 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 |

