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『ウインドウの狭いマシン』とはどういうクルマか。一発ハマれば評価が一転するF1の世界【中野信治のF1分析/第11戦】
2025年7月3日
レッドブルリンクを舞台に開催された2025年F1第11戦オーストリアGPは、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインで自身通算7勝目/今季3勝目を飾りました。
今回はマクラーレンのチームメイト対決、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)のミスに起因するアクシデント、そして角田裕毅(レッドブル)が悩む『ウインドウの狭いクルマ』について、元F1ドライバーでホンダの若手ドライバー育成を担当する中野信治氏が独自の視点で綴ります。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
オーストリアGPでのノリスのドライビングは『絶対にこのレースは落とせない』という気迫に満ち溢れていました。スタート直後からオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とテール・トゥ・ノーズのバトルを繰り広げ、最後はラップダウンのフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)とガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)がノリスとピアストリの間に入ったことがノリスに味方し、ポール・トゥ・ウインを掴みました。
前戦カナダGPでノリスは自身の判断ミスからチームメイト同士の接触を喫し、ピアストリは4位、ノリスはリタイアという結果に終わりました。ドライバーズタイトル争いの流れは現在首位のピアストリに傾きかけていたなか、オーストリアGPでのポール・トゥ・ウインで、ノリスが流れを自分の方に引き戻したように感じます。
ただ、依然としてピアストリが15点リードしており、ノリスにとって厳しい戦いはこれからも続くでしょう。とはいえ、前戦リタイアの逆境から、タイトル争い継続に望みを繋いだという意味でも、今回のオーストリアGPのノリスは素晴らしいレースを見せてくれたと思います。前回のコラムで「あのアクシデントがノリスが激しい戦いのなかでも冷静さを保ち続けるように変わるきっかけとなれば」とお話ししたとおり、ノリスは冷静な走りでした。

勝負を決めたのは、1回目のピットストップのタイミングでした。21周目にノリスが1回目のピットに入るなか、ピアストリは4周引っ張り、25周目に1回目のピットに入りました。ピアストリがコースに戻ると、ピットに入るまではテール・トゥ・ノーズだったノリスと6秒近い差ができていました。ピアストリとしては4周引っ張ることで、第2スティント終盤に勝負をかけるつもりだったと思います。ただ、タイヤを変えたノリスはアウトラップも含め、好タイムを刻み、結果的にピアストリはギャップを開けるだけでした。
ピアストリは20周目にノリスに仕掛けた際にフラットスポットを作っていましたが、フラットスポットの影響よりも、4周ピットを遅らせたことが、敗因となったと感じます。もし、ノリスが入った直後にピアストリもタイヤを変えていれば、第2スティントでもノリスに対し、第1スティントで見せたようなプレッシャーをかけることができたのではないかと思います。

■表彰台獲得から一転、手痛いミスを犯したアントネッリ
前戦カナダGPでキャリア初表彰台を獲得したアントネッリは、オープニングラップのターン3でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にブレーキングでタイヤをロックさせて追突し、両者リタイアとなるアクシデントを引き起こしてしまいました。
スタート直後の1周目はコース上も混み合うので、空いている際には見えるブレーキングポイントが見えなかったりします。スタート直後のアントネッリは、前にいたリアム・ローソン(レーシングブルズ)の動きに集中していたように見えました。集中するあまり、ブレーキングポイントを誤りタイヤをロックしてしまいます。ローソンへの追突を避けるべくイン側にラインを取りましたが、そもそもブレーキングが遅れていたので減速しきれず、フェルスタッペンと当たってしまいました。
アントネッリには次戦イギリスGPで3グリッド降格&ペナルティポイント2点の裁定が下りました。このアクシデントが今後のアントネッリの走りに何か影響を及ぼすのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のアクシデントはアントネッリの単なるミスです。長くレースをしていれば1回や2回は起きてしまう類のミスなので、今後の走りやメンタル面にはあまり関係ないだろうと私は考えています。

■角田裕毅が話す『ウインドウの狭いマシン』とはどういうクルマなのか
(Shinji Nakano まとめ:autosport web)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 216 |
2位 | ランド・ノリス | 201 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 155 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 146 |
5位 | シャルル・ルクレール | 119 |
6位 | ルイス・ハミルトン | 91 |
7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 63 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 42 |
9位 | エステバン・オコン | 23 |
10位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 22 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 417 |
2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 210 |
3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 209 |
4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 162 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 55 |
6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 36 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 29 |
8位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 28 |
9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 26 |
10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 11 |

