2025年F1第11戦オーストリアGPのドライバー会見には、マックス・フェルスタッペン（レッドブル）、ピエール・ガスリー（アルピーヌ）、アイザック・ハジャー（レーシングブルズ）と、いずれもレッドブル育成ドライバーからレースキャリアをスタートした3人が登場した。

　フェルスタッペンはここレッドブルリンクで、これまで5勝。去年は優勝こそ逃したが、予選では2番手以下に0.4秒もの大差をつけてポールポジション獲得と大得意とするサーキットだ。

Q：マックス、ここでの走り方について教えてください。ずっと素晴らしいパフォーマンスを発揮していますが、特に去年のポールラップには本当に驚かされました。秘訣は何ですか？

フェルスタッペン：ブレーキングを遅めに、アクセルを早めに踏み込みつつ、できるだけスムーズなドライビングを心がける。それだけだよ。でもどういうわけか、ここではいつもいいフィーリングを得られるね。僕に限らず誰でも、自分のペースに合わせやすいサーキットというのはあると思う。僕にとっては、ここがそうみたいだ。サーキット全体の流れとか、高速コーナーが影響しているのかもしれないね。去年の予選でもギャップは僕も驚いたけど、タイヤの準備などすべての点で違いを出せたんじゃないかな。

Q：セバスチャン・ベッテルが今週、ヘルムート・マルコ博士と定期的に連絡を取って、レッドブルで何らかのポジションを得ようとしていると発言しました。ベッテルのチーム加入の可能性について、見解を聞かせてください。

フェルスタッペン：レッドブルで多くのことを成し遂げた人が、違う形で再び貢献するのは、当然のことだ。何よりセバスチャンはチームを去った後も、ヘルムートといつも良好な関係を保っていたしね。どんな形であれ、セブのための場所は常にあると確信しているよ。

　ここまでは普通に質問に答えていたフェルスタッペンだったが、ペナルティポイントに話題が移るととたんに不機嫌になった。

Q：これ以上ペナルティポイントを受けると、出場停止になってしまいます。今週末へのアプローチは、それによって変わりますか？

フェルスタッペン：冗談じゃないよね？　それとも罠みたいななものかな？　毎グランプリ、この質問を受けているんだけど。

Q：それに関しては、これが最後です。

フェルスタッペン：何も付け加えることはないよ。

　続いてフェルスタッペンには、去年までのチームメイト、セルジオ・ペレスとの確執についての質問が飛んだ。

Q：ペレスがポッドキャストで、2022年のモナコとブラジルでの出来事について言及しています。ペレスによれば、あなたは感情を吐き出すまで我慢するタイプで、それは大抵サーキット上でのことだと言いました。4シーズンにわたってチェコと良好な関係を築いてきたことを考えると、彼のそのような発言に失望しましたか？

フェルスタッペン：全然。あなたの言い方は、チェコの意図とは違っていると思うよ。彼とは今も素晴らしい関係だし、ずっと素晴らしいチームメイトだった。お互い、尊敬し合っているしね。近いうちにパドックで彼に会えるのを楽しみにしている。ヘルメットをあげる約束をしているからね。メディアで何を書かれようと、僕はチェコの人柄を知っているよ。

　モナコGPは予選でのペレスのクラッシュでアタックできずに終わったこと、ブラジルGPはレースで順位を譲ることをフェルスタッペンが拒否した一件を指す。かなり挑発的な質問だったが、フェルスタッペンは努めて冷静に、ペレスとの関係のよさをアピールしていた。

　少し白けた雰囲気のなか、全世界での公開が始まった映画『F1／エフワン』について、こんな質問が出た。

Q：話題の映画について、感想を聞かせてもらえますか？　それからピエール、あなたについてブラッド・ピットが、将来のハリウッドスター候補に挙げていましたね。

ハジャー：正直、映画からはあまり学ばなかったかな。ただ、NetflixがF1に大きな影響を与えたように、この映画がF1を新たな次元へ押し上げてくれることを期待しているよ。これが僕たちにとってプラスになることを願っているし、そうなると思う。

ガスリー：マックスはまだ観ていないようだけど、彼がレースに勝つ場面が描かれているので、絶対に観るべきだと思う。個人的には、本当に本当に楽しめた。それからブラッド・ピットのコメントについては、母がとても喜んでくれたよ。もしかしたら、あなた方が僕をハリウッドで見かける日も、そう遠くないかもね（笑）。