無線では辛辣なやり取りも「何の問題もない」とハミルトン。一方で「もっとうまくできた」とも振り返る
2025年5月7日
フェラーリのフレデリック・バスール代表とドライバーたちは、ルイス・ハミルトンとレースエンジニアのリカルド・アダミとの間の辛辣な無線のやり取りから生じる可能性のある否定的なストーリーをすべて止めるべく、素早い行動に出た。
F1第6戦マイアミGPの決勝レースでは、オリバー・ベアマン(ハース)がトラブルによりコースサイドにマシンを止めたことで、バーチャルセーフティカー(VSC)となった。この間にピットに入りミディアムタイヤを履いてコースに出たハミルトンは、すぐに「タイヤが摩耗している」と不満を漏らし、チームに順位の入れ替えを要求し続けた。3周後、チームメイトのシャルル・ルクレールはハミルトンに先行を促したが、その後立場が逆転した。
ハミルトンはチームメイトを一度も引き離すことはなく、6番手を走っていたアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)に追いつく気配もなかったため、最終的にポジションを譲るよう指示された。イライラしたハミルトンは、「(背後を走るカルロス・)サインツも先に行かせようか?」と尋ねた。しかしレース終了後、フェラーリでは誰もこの激しいやり取りを大げさに捉えてはいなかった。

チームメイトよりもずっと慎重なルクレールは、「すべてが完璧に進んでいたら、キミの前でフィニッシュしていたかもしれないが、それだけだ」と認め、議論をすることを拒否して、次のように述べた。
「たいていの場合、僕は何か言う。今日は何も言わないでおこうと思う。この話はすでに十分大きなものになっていると思うからね。もっとうまくやらなければいけないのは確かだ」
「タイヤ交換をする前にもう少し話し合っておくべきだった。最後までそのタイヤで走ろうとしているんだから。タイヤをうまく扱おうと努力しているが、すべてが難しくなってしまった。カルロスがあんなに近くに来るとは予想していなかった。こうした状況は少々複雑だが、検討すべき点はたくさんあると思う」
「無線が必ずしも真実を映し出すわけではない」

一方ハミルトンは、バスールとの個人的な会話の後にメディアコーナーに最後に現れたドライバーだったが、質問に答える際には満面の笑みを浮かべていた。
「ミディアムタイヤを履いた瞬間に、マシンが本当に生き生きとしたように感じた。その瞬間、とても楽観的になった。僕が目にしたのは前方のメルセデスだけだった。もしかしたら6位くらいまで行けるかもしれないと思っていた」
「シャルルと僕がバトルをしていたラップでは、多くのタイムを失ったが、その瞬間には明らかに僕の方が速かった。それに、決定が十分に早く下されたとは思えなかった。そういう時は、『いいかげんにしてくれ!』という感じになる。でも、本当にそれだけだ。チームにもシャルルにも何の問題もない。僕たちはもっとうまくできたと思う」
「フレッドが僕の部屋に来たとき、僕は彼の肩に手を置いて、『落ち着いて、そんなに敏感にならないで』と言ったんだ。無線ではもっとひどいことを言えたかもしれないけれどね。過去に他の人が言ったことをいくつか耳にすると、なかには皮肉もあった。まるで『後で連絡するよ』と言って……。(時計を見つめて)『OK!』みたいな感じだ。以前に僕は、ショブ(アンドリュー・ショブリン/メルセデスのトラックサイド・エンジニアリング・ディレクター)かボノ(ピーター・ボニントン/ハミルトンのメルセデス時代のレースエンジニア)にそう言ったことがあるよ」

バスールは、両ドライバーと個人的に話し合った後、最初のチームオーダーの遅れを軽く捉え、次のように主張した。
「1周半くらいのものだった。そして、2台のマシンに同じ戦略をとっていない場合、後ろにいる方がDRSのおかげで速いのかどうかを理解するのが、私にとってまず重要なことだ」
「1周かかったということは、理解するのに1分半かかったということだ。そして、我々は彼らにポジションの入れ替えを要求した。しかし正直に言えば、結局のところもっとうまくやった方がよかったと言えるかもしれない。しかし、それがDRSの効果であるかどうかはわからなかった。シャルルやルイスに入れ替えを頼むのは決して簡単なことではないから、我々は難しい決断をしたと思う。しかし、我々も彼らもコース上でそれをやり遂げた」
ルクレール同様、バスールも無線メッセージは誤解を招く恐れがあると繰り返し述べ、「ドライバーに何かを頼むと、それが半周後や1周後に放送されることがある。過去にもそういうことがあった」と理由を語った。
「2時間後にそうする方がずっと簡単だ。我々は彼らに頼んだ。彼らはそうした。それだけのことだ」

(Text:GrandPrix.com / Translation : AKARAG)
関連ニュース

1位 | オスカー・ピアストリ | 131 |
2位 | ランド・ノリス | 115 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 99 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 93 |
5位 | シャルル・ルクレール | 53 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 41 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 30 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 14 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 246 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 141 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 105 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 94 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 37 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 14 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 7 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

