2004年シーズンも後半戦に差しかかり、場所をヨーロッパに戻して第10戦フランスGPが行われる。
各チームは、カナダとアメリカでのエキサイティングなレースを終え、フランスGPのマニ−クールにやってくる。ラッキーストライクBARホンダは、ジェンソン・バトンと佐藤琢磨はカナダ、アメリカそれぞれのレースで表彰台フィニッシュを果たし、意気揚揚とフランスに戻ってくる。
「ヨーロッパに戻れてチームはみんなハッピーだ。北米ではすごく忙しかったけど、ヨーロッパに拠点を置くチームは、今度のレースが始まるまで一息つけるからね」とデイビッド・リチャーズ。
「フランスGP、イギリスGPと立て続けにレースがあり、目も回るような忙しさになっている。こんな状況では工場の誰もがいつもより重要な役割を負うことになる」
1周4.4kmのマニ−クールのコースは、非常にスムーズな路面状況であることがよく知られている。しかし、気温の上下によってグリップレベルも大きく変化するので、最適なセットアップを求めるドライバーとエンジニアにとっては頭痛の種になっている。マニ−クールでのオーバーテイクは非常に難しく、唯一といっていいポイントはアデレイドヘアピンでのブレーキング競争となる。トラック自体はスローなヘアピン、中速度のターン、そして高速シケインから成っているが、どこかを譲歩してセットアップを決定しなければならない。
「フランスでレースをするのはとても楽しみだ」とバトン。「ミシュランにとっては地元だからいい仕事をしてくれるはずさ。何より僕らのパッケージは強力だから必ずや表彰台フィニッシュを果たせると信じている。前回のインディでも僕らのパッケージはファンタスティックだったよ。僕自身はリタイアという不本意な結果になったけどね。選手権で2位を目指して戦うには、チームの2台ともポイントを獲得できるようにすることが必要だ」
「インディではいいレースができて、初めて表彰台に上ることができた。だから今度のグランプリは本当に楽しみなんだ」と佐藤琢磨。「マニ−クールは特別なサーキットで、路面は信じられないほどスムーズなんだ。気温もすごく暑くなったと思えば涼しくなったりもするし変わりやすい。そういった要因がここでは常にエキサイティングなレースを作り出す。先週僕らはヘレスでテストをした。すごく暑かったけどフランス用のタイヤテストはうまくいったよ。マニ−クールはミシュランにとってホームグランプリだから、週末は強力なパフォーマンスを見せられると思うよ」