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ホンダ/HRC密着:貨物到着の遅れに対応しつつ戦った中国GP。角田のPU交換は「予防的措置」の解析のため

2025年3月27日

 F1中国GPでは、税関サービスでの手続きに時間がかかったことにより、オーストラリアから空輸された貨物が国内搬送されるのが大幅に遅れた。通常であれば、F1の貨物機は月曜日の夜に中国に到着し、遅くとも火曜日の午後からグランプリへ向けた準備作業を開始する。


 ところが、今回ホンダ・レーシング(HRC)のパワーユニットがサーキットに到着したのは水曜日の朝だった。折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)はこう話す。

「そこからすぐにメンテナンス作業を開始できたので、ホンダとしては大きな問題はなかったです」


 とはいえ、パワーユニットは問題がなくても確認しなければならない項目が約100あるため、これだけで半日以上かかる。


 なお、オーストラリアGPではレースでアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)とリアム・ローソン(レッドブル)がクラッシュしていた。すでにメルボルンで大きな問題はないことが確認されていたが、その2台を含む合計4台のPUをチェックしたところ、角田裕毅(レーシングブルズ)のPUに関しては「データ上で気になるところがあったので、念のためにHRC Sakuraのほうで解析してもらうことにした」と折原GMは語った。


 現在のPUはホモロゲされているため、新しいエンジンをどこで入れても変わりない。少しでも不安がある場合はその不安が完全に払拭されるまでは、予防として他のエンジンを使用するのが通例となっている。中国GPで角田が2基目のICE、TC、 MGU-H、MGU-K、EXを投入したのはそのためだった。

2025年F1第2戦中国GP 角田裕毅(レーシングブルズ)

 さて、貨物の遅れで問題となったのは、ピレリに加え、マクラーレン、レッドブル、メルセデス、アストンマーティンなど多数のチームの貨物の到着が、水曜日の夕方となったことだった。パワーユニットが問題ないことを確認したら、パワーユニットをチームに預ける。チーム側はパワーユニットを車体に搭載した後、ラジエターやチャージ・エア・クーラー(インタークーラー)など、エンジンを機能させるための補器類や電装品などを取り付けて、水曜日の作業が終了となる。


 しかし、中国GPでは問題は車体の到着が水曜日の夕方となった。通常であれば、水曜日の夕方までにパワーユニットを車体に搭載して、システムチェックを行って、エンジンに火を入れる(ファイアアップ)直前までの準備を済ませておく。


 レギュレーションで「ファイアアップは金曜日の最初のセッションの開始から24時間前までは行ってはならない」と定められているため、中国GPではフリー走行1回目の開始時間である金曜日11時30分の24時間前、つまり木曜日の11時30分がファイアアップのタイミングとなる。ここでファイアアップができないと、金曜日以降に影響が出るため、レッドブルとホンダは年間4回まで許されているカーフューを破っての作業を水曜日の夜に行うことにした(最終的に国際自動車連盟FIAは、特別な事情があったことを考慮して、今回はカーフューを破ったことにはしないという決定を下した)。


 ホンダ側の作業が終わったのが深夜0時を過ぎ、レッドブル側はさらに数時間サーキットに残って、作業を続けていた。こうした努力によって、レッドブルを含む数チームが問題なく中国GPを戦うことができた。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)
2025年F1第2戦中国GPスプリント マックス・フェルスタッペン(レッドブル)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)

 2連戦を終えたF1は次戦日本GPまで約2週間のブレイクに入った。車体は全チーム、PUもHRC以外はヨーロッパへ戻されている。しかし、ホンダRBPTのPUは日本のHRC Sakuraへ帰還している。その中に、角田のPUも含まれている。ただし、角田が日本GPでどのPUを走らせるのかは、まだ明らかになっていない。



(Text : Masahiro Owari)


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