インディアナポリス・モータースピードウェイで開催されたアメリカGP決勝で、スクーデリア・フェラーリ・マールボロが6度目の1−2フィニッシュを飾り、ウィルクス・ミナルディ・コスワースが今季初ポイントを獲得した。今季最も事故の多いレースとなったアメリカGPは、事故後2回セーフティカーが導入されたが、レース再開後はフェラーリの両マシンがノーズ・トゥ・テールで首位争いを繰り広げるなど、2台のマシンが終始リードを守った。しかしながら、現ワールド・チャンピオン、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)に今季9戦中8勝目を挙げるチャンスをもたらしたのは、1回目のレース再開後ポールポジションからスタートしたチームメイトのルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)に大胆なオーバーテイクを仕掛けたことだった。シューマッハは合計80ポイントを獲得してドライバーズ・ランキングで首位に立ち、バリチェロが62ポイントでこれを追っている。またフェラーリは合計142ポイントでコンストラクターズ・ランキングの首位に立っている。一方、ハンガリー人のゾルト・バウムガルトナー(ミナルディ)は8位でゴールしてうれしいF1初ポイントを獲得した。ジョーダン・フォードとザウバー・ペトロナスは残念ながらポイント獲得に至らなかったが、2週間後に開催されるフランスGPでは両チームとも態勢を整え全力を挙げて戦いに臨むことだろう。
安川ひろし ブリヂストンモータスポーツ推進室長
「今日のフェラーリの素晴らしい結果をとてもうれしく思う。また、今年初めてのポイントを獲得したゾルト・バウムガルトナーとミナルディ・チームを祝福したい。彼らはシーズンを通じて懸命に仕事をしており、この結果は彼らにふさわしいものだ。日本の企業として3位でゴールし、日本人ドライバーとしては14年ぶりに表彰台に登った佐藤琢磨のことも祝福したい。しかし、今日のレースは事故が多発した。ラルフ・シューマッハには心からお見舞いを申し上げる。彼が無事で、できるだけ早くF1に復帰できるよう願っている。」
菅沼寿夫 ブリヂストン・モータスポーツ・テクニカル・マネージャー
「フェラーリにとって大変素晴らしい1-2だ。彼らにとっては今季6度目の1-2だが、タイヤの観点から見れば決して楽に勝てたわけではなかった。インディアナポリス・サーキットはタイヤメーカーにとって難題を突きつけられるコースなので、このような厳しい状況と暑さの中で我々のタイヤが優れたパフォーマンスを見せたことを喜んでいる。限界ぎりぎりだったが、フェラーリのツーストップ作戦を支援できたことに大変満足している。ミナルディが2004年度初のポイントを獲得したことも素晴らしかった。これは彼らの膨大な努力のおかげであり、ミナルディ・チームとゾルト(バウムガルトナー)のために、とてもうれしく思う。しかしながら、事故が多く完走できたブリヂストン装着ドライバーが少なかったのは残念だ。それでもヨーロッパに戻って全チームが態勢を建て直せると予測している。」
ロス・ブラウン スクーデリア・フェラーリ・マールボロ テクニカル・ディレクター
「今日ブリヂストンタイヤはとても素晴らしかった。レース展開の関係でかなり多くの燃料を積まなければならなかった。マシンに大量の燃料を積んでいるときには、タイヤをいたわりながら走らなければならなかったが、タイヤは本当に完璧だった。重要なのは、タイヤが我々の必要性に応じて予選では速いパフォーマンスを、そしてレースでは高い耐久性を発揮したことだ。見事なタイヤだった。」