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“メキシコ・スペシャル”に注目。上位チームが高地バトルへ向けて新カウルを導入/F1第20戦

2024年10月26日

 F1の世界では、メキシコGPが復活した2015年から、ある言葉が復活した。それは『メキシコ・スペシャル』だ。これは、メキシコシティGPだけに使用する冷却のためのボティワークの開口部の形状を意味する。


 エルマノス・ロドリゲス・サーキットは、標高2240m以上に位置するメキシコ・シティにある。気圧は30m上昇するごとに0.3%低くなるので、サーキットにある国際自動車連盟(FIA)の気圧計は785.5ヘクトパスカルを示している。


 大気圧が平地にあるほかのサーキットに比べて約2割低いということは、空気の密度が2割低くなるため、パワーユニットやギアボックスなどを冷却性能が約2割下がる。


 ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎(トラックサイドゼネラルマネージャー)はこう語る。


「空気が薄いので冷却も厳しく、メキシコGPは24戦中でもっとも厳しいサーキットになります。冷却用のカウルはメキシコ・スペシャルというのを用意しておかなければならないほどで、金曜日のフリー走行ではどのチームもメキシコ・スペシャルを投入して、カウルの開口部を目一杯開けて走り始めると思います」


 メキシコGPではレッドブル、フェラーリ、マクラーレン、ウイリアムズ、RBがアップデートパーツを投入してきたが、どのチームも冷却用の開口部の仕様を改良したパーツが含まれていた。

カルロス・サインツ(フェラーリ)
2024年F1第20戦メキシコシティGP カルロス・サインツ(フェラーリ)のエンジンカウル


 ただし、単純に約2割ボディカウルを広げても、メキシコでは適正にパワーユニットなどを冷却することができない。


 というのもラジエターには、水温が100度以上でも機能するように内部に圧力をかけているのだが、安全上の理由から、FIAから支給されている圧を逃すリリーフバルブを取り付けなければならない。


「その設定は大気圧プラス3.75バールと決まっています。平地だと1バールにプラス3.75バールを加えた4.75バールをラジエターに圧力をかけて、100度以上の高温で水を流すことができるのですが、メキシコではそれが4.55バールまでしか上げることができないです」


「ところがメキシコは高地なので、沸点も低くなることで冷却水が沸騰しやすくなるため、圧力を高くして走りたい。ですがそれができないため、そこをバランスさせるための設定が難しいです。通常のサーキットよりも、よりピンポイントで圧力を設定しないと、走行中にリリーフバルブから熱湯が吹き出すこともあります」


 ただし、F1は圧力設定を正確に行うスポーツではなく、この設定を行いつつ、いかに速く走るかが重要となるスポーツだ。したがって、圧力設定を正確に行うことはもちろん、いかに冷却性能を損なうことなく、空力性能を高めてダウンフォースを得て、コースを速く走るかが重要となる。


「空力に悪影響を与えずにタイムを上げるため、どこまで開口部を閉じていくかが勝負になると思います。レッドブル側と、クーリングをどこまで攻められるかをグランプリ開幕前にも話し合いました」


「(開口部を)開ければクーリング的には楽になりますが、それではタイムが上がらないので、どこまでマージンを削れるかがポイントになります」


 今週末のフリー走行では、ラップタイムだけでなく、コンストラクターズ選手権争いを繰り広げているトップ3チームのボティカウルの開口部の形状やルーバーの大きさや数にも注目したい。

パト・オワード(マクラーレン)
2024年F1第20戦メキシコシティGP ランド・ノリスの代わりにFP1に出走したパト・オワード(マクラーレン)のエンジンカウル



(Masahiro Owari)


レース

12/6(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
12/7(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
12/8(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
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第20戦メキシコシティGP 10/27
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