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F1第19戦木曜会見:ハースとトヨタの技術提携は「長期的にプラスになる」とマグヌッセン。来季加入のオコンも期待

2024年10月18日

 アメリカ大陸3連戦の初戦となるF1第19戦アメリカGP。ハースのケビン・マグヌッセン、そして2025年のハース入りが決まっているエステバン・オコン(アルピーヌ)に対しては、チームとトヨタとの技術提携についての質問が飛んだ。


Q:ケビン、トヨタとの技術提携は即時発効しますが、今シーズン終了前にそのプラス面が見られると思いますか?
マグヌッセン:いや、そうは思わない。一方で長期的には、ハースに非常にプラスになると思う。事業拡大の非常にいい方法だし、必要なステップだよ。今シーズンのハースが達成してきたことは、チームの規模の小ささを思えば、すでにかなり印象的だ。そしてさらに大きな可能性があると、僕はずっと感じてきた。(トヨタとの提携で)どこに向かうのかを見るのは、本当に興味深いね。


Q:エステバン、あなたの反応は? チームに加わるのはいいタイミングだと感じているでしょうね。
オコン:もちろんだ。アヤオ(小松礼雄代表)は僕にチーム入りを熱心に説得してくれたけど、そのなかでこの計画には具体的に言及しなかった。でもハースを次のレベルに引き上げ、改善できる可能性があると、熱く語ってくれた。それで僕はチームも彼自身も信頼するようになったんだ。来年以降、ハースはいっそうエキサイティングなチームになると思うよ。

トヨタ/GR、ハースF1と車両開発、ドライバーやエンジニアの人材交流の協力関係で合意
TOYOTA GAZOO RacingとハースF1チームの業務提携が発表された記者会見の様子。ハースF1小松代表、トヨタ自動車豊田章男会長、GRカンパニー高橋智也プレジデント


 この週末にはFIA(国際自動車連盟)が、来季からのファステストラップポイントの廃止を決めた。ポイント獲得のチャンスが減るだけにドライバーからは反対意見が出るかと思ったが、カルロス・サインツ(フェラーリ)は意外なことに廃止に賛成した。


サインツ:僕は以前から、不要なポイントシステムだと思っていた。主に獲得方法のせいでね。というのも多くの場合、チェッカー1周前にピットインできるドライバーだけがファステストを獲る状況になってしまっている。必ずしも最速ドライバーが最速ラップを叩き出すわけじゃない。


Q:では何か他のことで、ポイントが与えられた方がいいと。たとえばポールポジションとか?
サインツ:その方がずっといい。僕たちは、ポールを獲ろうと大きなリスクを冒す。最も速いドライバーであることを証明するためにね。ライバルたちと接近戦を繰り広げ、全力を尽くしてポールを獲得する。もし1ポイントをあげるなら、レースの最速ラップよりずっと理にかなっていると思うよ。


 サインツに対しては、改めてウイリアムズ入りの経緯を問う質問が出た。


Q:ウイリアムズとの契約前、今季終了までに導入する予定のアップグレードについてジェームス(・ボウルズ代表)とみっちり話し合ったと以前言っていましたね。そして今季のウイリアムズは着実に進化を遂げ、Q3に進出し、ポイントを獲得しています。
サインツ:彼らのそんな進化を見るのは本当に嬉しいよ。今季のウイリアムズがどれだけ改善を遂げるのか、ジェームズは本当に熱心に語ってくれたからね。そしてこれまでのところジェームズが約束を守る人で、期待に応える人なのは間違いない。チームは正しい方向に進んでいるようだ。ただ一方でウイリアムズ入りの決断は、短期的なパフォーマンスの向上とは関係ない。あくまで経営陣やオーナーとの話し合いや、組織全体から得た感覚に基づいての決断だよ。彼らのプロフェッショナリズム、中長期計画のビジョンが、僕を納得させたんだ。

カルロス・サインツ(フェラーリ)
2024年F1第19戦アメリカGP FIA会見 カルロス・サインツ(フェラーリ)


 今週末からの残り6戦では、ダニエル・リカルドに代わってリアム・ローソンがRBから出走。そしてアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)は今回がF1での100戦目となる。


Q:リアム、シーズンを締めくくる6レースで、どんな目標を設定していますか?
ローソン:具体的な順位とかは考えていない。とにかくポイントを獲得したいね。それがチームの評価基準になるし、自分のパフォーマンスも評価されるから。もちろん自分のためだけじゃなくて、チームが選手権6位を獲るためにも、ポイント獲得は重要になる。


Q:アレックス、 F1での100レースおめでとうございます。特に印象に残っているレースはありますか?
アルボン:デビュー戦かな。最初のレースはF1に限らず、とてつもなく大きな瞬間だからね。あとは、初表彰台だね。あれは本当に嬉しかった。一方ですごく不思議に感じるのは、100レースというとすごく多いけど、今は年間にこれほど多くのレースをこなしているから、あっという間という感じなんだ。わずか4年か、4年半だからね。誰かが、サー・ジャッキー・スチュワートを追い抜いたと言っていたけど、すごく不思議な気持ちだよ。


 1960〜70年代に活躍し、3回のタイトルを獲得したスチュワートは、生涯参戦数100に達するのに9シーズンを要している(スタート数は99回)。当時のF1は年間12、3戦しかなかったからで、24戦開催の今からすればまさに隔世の感がある。

アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)&リアム・ローソン(RB)
2024年F1第19戦アメリカGP FIA会見 アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)&リアム・ローソン(RB)



(取材・まとめ 柴田久仁夫)


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