今週末のカナダＧＰのために、ホンダは新スペックのエンジンを用意した。２戦連続エンジントラブルに見舞われたＢＡＲの佐藤琢磨だが、信頼性の改善を信じてレースに挑む。
「シーズン当初からかなり開発を進めてきたが、カナダではさらに大きな前進が見られると思う」と琢磨はカナダＧＰの木曜記者会見で語った。「ここ何戦かトラブルが起きたので、信頼性により重点を置いている。だから、最大出力は期待ほどではないかもしれないが、信頼性についてはかなり向上していると信じているよ」
　トラブルは、今までのところ、チームメイトのジェンソン・バトンではなく琢磨に起こることが多い。この点を琢磨はどう考えているのだろう。
「ちょっとした謎だよね。２台のマシンの間に特に問題となる違いは見つからなかったんだ。今のレースではマシンが制御する部分が大きいから、ドライバーが原因でエンジンが壊れるということはないはずなんだけど、どこかに問題があるんだろうね。ホンダは原因究明に努めているし、問題があるのは分かってるんだ。だからこそ、信頼性の向上に焦点を当てて開発作業を行うことにしたんだ。でも、僕としては、自分はただツイてなかっただけだと思っている。トラブルはニュルブルクリンクが最後になればいいんだけどね」
　いまや、日本人ドライバーとして最大の成功を収めつつある琢磨。母国日本でのファンの反応について、彼はこう語っている。
「日本のファンは大喜びしてくれていると思う。Ｆ１ファンはみんなこれまで以上に熱狂しているし、今までレースやＦ１に縁がなかった人たちまでＦ１を見たりＦ１の話をするようになってきた。僕にとってもこれは嬉しいニュースだよね」