F1第2戦水曜会見:RBのチームオーダー問題は解決か。角田「レース後に全員で話し合い、彼らの意図を理解した」
2024年3月7日
2024年F1第2戦サウジアラビアGPのドライバー会見に出席したのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、ランス・ストロール(アストンマーティン)、バルテリ・ボッタス(キック・ザウバー)、そして角田裕毅(RB)の6人。いずれも1週間前の開幕戦で、事故やトラブルなどで自分が期待したような結果を出せなかったドライバーばかりだ。
Q:ジョージ、バーレーンGPからどのような結論を導き出しましたか?
ラッセル:今季のクルマには可能性があるということだね。初日FP2は、ルイス(・ハミルトン)と僕がワン・ツーだった。あのペースを見たとき、本物だと感じたよ。ただレースでは冷却の問題が発生した。バッテリーとパワーロスだけで、少なくとも15秒を失った。タイヤに与えた影響を考慮すると、もっとだろうね。あれがなかったら2位争い、表彰台争いは十分可能だった。
Q:冷却トラブルは、単純な計算ミス? それとももっと根本的な問題ですか?
ラッセル:単純な計算ミスだった。ボディワークをほんの少しだけ開けていたら、起きない問題だった。ただテストでもフリー走行でも全然起きていなくて、土曜日に突然発生した問題だった。理由は今も、よくよくわからないんだ。
Q:シャルル、開幕戦から見えたことは?
ルクレール:1年前に比べて、はるかにいいと思う。確かに今はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と互角に戦えてはいないし、ブレーキトラブルはちょっと心配だけど、マシン自体は期待した位置にあるからね。
Q:ランス、今年のアストンマーティンのペースについてどう思いますか?
ストロール:やるべきことがあるのは間違いない。開幕戦は9位と10位で、ライバルたちにまったく太刀打ちできなかったからね。でもまだ序盤だし、まずは今週末がどうなるか見てみよう。
Q:ユウキ、新車のペースについてはどうですか?
角田:ペース自体には、かなり満足しています。予選でもレースでも、トップ10前後で戦えていましたから。だからレースも、少なくとも前半は楽しめました。
角田にはそこから、レース終盤のチームオーダー、その後のダニエル・リカルドとの軋轢に質問が集中した。
Q:あなたとダニエルは、少し険悪な関係になりました。
角田:ええ。でもレース後にチーム全員で話し合って、最終的には僕も彼らの意図が理解できました。今はお互いが理解し合えていると思います。
ここでイギリスの『Sky Sports』のベテランジャーナリスト、デビッド・クラフトは、チームオーダー自体の妥当性に疑問を呈した。ポイント獲得が難しいのに、チームオーダーを出す意味はあったのかと。
Q:あの状況でのチームオーダーは、本当に必要でしたか? もししっかりオーダーが機能しても、12位が精一杯だったと思いますが。
角田:ダニエルはソフトタイヤを履いていて、明らかにペースが速かったです。なのでチームは、ダニエルの方がケビン(・マグヌッセン/ハース)を追い抜くチャンスがあると考えたのだと思います。オーダーが出た瞬間、僕は少し熱くなって……でも最終的には順位入れ替えを実行しました。1周か半周後だったと思います。おそらくそこが問題でした。
Q:もし今週末にまたチームオーダーがあったら、よりスムーズに対応できますか?
角田:100%できます。
トラックリミットについてのペナルティは今も賛否両論だが、FIAはさらに厳しくすることを考えている。
Q:FIAは現在5秒のトラックリミットペナルティを、10秒にすることを検討しているようです。どう思いますか?
ルクレール:厳しすぎると思う。5秒でさえ、十分厳しいのに。僕らドライバーは走行中、白線の状態がほとんど見えないんだから。むしろトラックリミットをより適切に遵守できるように支援することが、優先事項だと思う。
ラッセル:シャルルの意見に全面賛成だ。クルマのなかから確認するのがどれほど難しいか、テレビで観ている人には全然わからないと思う。僕らはとても低い位置に座っていて、タイヤの上部15cmしか見えないんだ。ただトラックリミットの問題が多く見られるのは、ほんのひと握りのサーキットだけだ。だからまずは、それを解決する方法を見つける方が大事だと思う。
ここで角田に改めて、開幕戦での一件について厳しい質問が飛んだ。
Q:あなたは来シーズンにレッドブルに昇格する意思を隠していません。一方で、バーレーンで興奮した瞬間があったと認めました。コクピット内で感情を抑えるのに苦労しているドライバーと、レッドブルがわざわざ契約したいと思いますか?
角田:確かにそこが確実に改善しなければならない点なのは、しっかりわかっています。今まさに取り組んでいるし、セルフコントロールできる自信を持っています。そこまでに多くのステップが必要なのはわかっていますけどね。
Q:リカルドは冷静で、いいフィードバックを提供し、彼から学べることがたくさんあると言っていましたね。具体的にどんなことをしていますか?
角田:まだ学んでいる最中で、土曜日に見せた行為は確かにその対極を行くものでした。クルマに乗る前にはいつも、「無線を押して喋ってはいけない」と自分に言い聞かせているんですけどね。でもひとつ言わせてもらうと、僕はあんなふうにいつも叫び続けているわけじゃないです。とにかく改善に全力を尽くしますし、それは今後のレースで見てもらえると信じています。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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1位 | オスカー・ピアストリ | 131 |
2位 | ランド・ノリス | 115 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 99 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 93 |
5位 | シャルル・ルクレール | 53 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 48 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 41 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 30 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 14 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 246 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 141 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 105 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 94 |
5位 | ウイリアムズ・レーシング | 37 |
6位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 14 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 8 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 7 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

