F1世界選手権第5戦スペインGPの決勝レースが5月9日(日)スペインのカタルニア・サーキットで行われた。
かつてない大観衆が見守る中、午後2時に決勝レースがスタート。気温21度、路面温度36度、湿度41%というコンディションで66周のバトルが繰り広げられた。パナソニック・トヨタ・レーシングの2台は、オリビエ・パニスが予選7番手から、クリスチアーノ・ダ・マッタが予選11番手から上位進出へとスタートしたものの、オリビエ・パニスは、ピットインの際に制限速度を超え、“ドライブ・スルー“ペナルティを課せられた直後の33周目に、油圧系トラブルから戦線離脱。その後は、クリスチアーノ・ダ・マッタが孤軍奮闘したが、13位でレースを終えることとなった。
優勝は、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)であった。
クリスチアーノ・ダ・マッタ
「2回目の給油ピットインまでなかなか本調子とはいかず、半ば諦めかけていた。後半戦に入り、やや本領を発揮出来るようにはなったが、新品のタイヤを装着した後には、タイムのロスを強いられた。もし、問題を抱えていなければ、M.ウェーバーを追い抜くことも出来たかもしれない。2週間後のモナコGPを控えて、より戦闘力を増し、より好成績をものにせねばならない」
オリビエ・パニス
「スタートは上手く行ったが、すぐに、グリップレベルに不調が出ていることに気がついた。そして、2回目のピットストップの際に、ピットロードで速度制御システムが作動せずに、“ドライブ・スルー”ペナルティを受けてしまった。その原因は、まだ分からないが、もし、私の操作ミスであったならば、チームに謝りたい。その後、数周で、ハイドロリック系の油圧低下から、ギアボックスの機能を失い、パワーステアリングもきかなくなってしまい、ストップせざるをえなかった。期待はずれの週末となってしまったが、チームは全力を尽くした。今後もレースへ向けて、よりスピードを身に付けるべく努力し続けなくてはならない」
高橋敬三 技術コーディネーション担当ディレクター
「オリビエ・パニスのピットレーンでの速度超過による“ドライブ・スルー”ペナルティが結果のすべてであった。最後は、ハイドロリック系の油圧低下によりリタイアせざるをえなくなってしまった。両ドライバー共に頑張ってくれているので、次戦となるモナコGPでは、何としてでも巻き返しをはかりたい」
冨田 務 TMG会長兼チーム代表
「土曜日の予選結果から、決勝レースには期待していたが、不運にも、我々は好調を維持することが出来なかった。最初に使用したタイヤの空気圧が高すぎてTF104のスピードを確保できないという問題も抱えていた。オリビエ・パニスはピットレーンの速度違反による“ドライブ・スルー”ペナルティでポジションを後退し、その後、ハイドロリック系の油圧低下によってリタイアを余儀なくされてしまった。クリスチアーノ・ダ・マッタは良い仕事をしてくれ、最後まで走り抜いてくれたが、ペースは速いとは言えず、満足できる結果は得られなかった。我々の前には、まだまだ長い道のりがあることは、分かっているが、やるべきことを全うし、引き続き、開発、改良を続け、ベストを尽くして前進する」