ルーベンス・バリチェロは、マレーシアGPでのリザルトについて冷静に分析し、ミハエル・シューマッハーとは違ったタイヤチョイスをしたせいで、レースの組み立てに悪影響があったことを認めた。
バリチェロは、第1戦と第2戦の間には、ヨーロッパに戻ってテストを行ったが、現在は母国ブラジルで休暇を楽しんでいる。彼はマレーシアで、チームメイトよりもハードなコンパウンドを選択した。天候コンディションの予測に基づいて、その選択をしたのだが、その予測は外れてしまった。
「僕が金曜に決断を下したときには、マレーシアでも過去最高といえるくらい暑いレースになりそうだった。それで、ハードな方のタイヤを選んだんだよ」と、バリチェロは説明した。「そのおかげで、僕のレースは困難になった。日曜の路面温度が前日までと比べてかなり下がったのを見て、すぐに大変なレースになると覚悟した。ギャンブルが裏目に出たんだよ」
バリチェロは、レッドシグナルが消えた瞬間から、厳しいレースだったことを認めた。シューマッハーが差を開いていく一方で、それについていく望みはほとんどなかったという。
「ミハエルは本当に速かったが、僕はそのペースについていこうと頑張った。そうしたら、4コーナーがすごく滑りやすくなっていて、そこではタイヤがうまく働いてくれなかった。その2周か3周でほとんどの時間をロスしてしまい、勝つ見込みもなくなってしまったんだ」
しかし、失望はわきにおいて、バリチェロはこの先のレースについては依然として楽観視している。
「ポジティブな面を見れば、今回のレースではF2004のポテンシャルが本当によく発揮されていたし、僕が序盤にあのトラブルに遭ってさえいなければ、僕らはまた1−2フィニッシュができていたに違いないよ」と、バリチェロは、開幕戦のオーストラリアGPを思い返して語った。「ミハエルの方が、いいタイヤチョイスをしていたんだ」
「フェラーリがブリヂストンと共に成し遂げた仕事は素晴らしいよ。マレーシアの勝利はタイヤのおかげだったと言ったロス・ブラウンに、僕も賛成だ。セパンで皮肉だったのは、メルボルンの後、タイヤテストのためにバレンシアに行ったのは僕だったということだよ。僕は、ある特定の天候コンディションを期待していたんだけど、それは外れてしまった。バレンシアで学んだことが、実際には仇になったのかもしれないね!」
バリチェロは、もう何日か、暖かいブラジルでトレーニングに集中してから、初開催のバーレーンGPに向かう。
「次のレースの2、3日前にドバイに行って、レースと似たコンディションでトレーニングをするつもりなんだ。バーレーンは、マレーシアほど湿気はないとしても、もっと暑いかもしれないと言われているからね。長年、次は僕のホームグランプリだったけど、今年は違うのに、この時期サンパウロにいるなんて変な感じだよ」