約2週間後にF1選手権第3戦が開かれる新設サーキットのバーレーンでウイリアムズBMWがFW25を走らせたことについて、感想を求められたフェラーリのチームボス、ジャン・トッドは明確なコメントを拒否した。
先週行われたバーレーン・インターナショナル・サーキットの公式オープニングイベントで、ウイリアムズは旧型のFW25を持ち込んでデモンストレーション走行を行った。これはF1の首領バーニー・エクレストンの要請に基づくものだった。
イベントではサードドライバーのマルク・ジェネがコースを数周したが、これによってウイリアムズだけがコースに関する情報を収集でき、2週間後のグランプリで多少なりとも有利になる可能性が指摘されている。
ミシュランとウイリアムズだけがこの“試走”を行ったことについて、懸念を感じないかと質問されたトッドは、次のように述べるにとどめた。「そのことには触れたくない。ただ、想像してみてほしい。もし私たちが同じことをしたら、ライバルチームはいったい何と言っただろうかとね……」
一方、マレーシアでの週末については、次のように語っている。「ひとつのレースで獲得可能な18ポイントのうち15ポイントも取れたのだから、まだ満足できないなどと言うのは贅沢だ。今のところ、この全般的な状況にたいへん満足している」
また、トッドはこれまでミシュランに比べて温度が高いコンディションに弱いと考えられてきたブリヂストンに対しても、すかさず賛辞を贈った。「ブリヂストンはすばらしい仕事をしてくれた。彼らは物静かだが、優秀で偉大な人々だ」
だが、彼はその2週間前のメルボルンでのレースと比べると、ミハエル・シューマッハーがセパンではるかにタフなレースを戦ったことを認めている。今回はファン‐パブロ・モントーヤにプッシュされていたからだ。トッドによれば、今年の選手権は「おそらく僅差の戦いになるが、うまくいけば私たちのアドバンテージを維持できるだろう」という。
いつでも過去を分析し、未来の計画を立てるのがフェラーリのポリシーだ。彼らが栄冠の上でノンビリとくつろぐことはない。「チームは常にこれからのことを考え、どうすれば進歩できるか、うまくいかなかったのはどの部分か、改善できる部分はどこかと考えている。これから手に入れるであろう成功のことは頭にはない。状況をさらに有利にするために何をやらなければならないかという、そのことだけに集中しているんだ」