ミシュランユーザーが有利と見られていたマレーシアGP決勝で、現ワールドチャンピオン、ミハエル・シューマッハ(フェラーリ)が今季2度目のポール・トゥ・ウィンを飾った。現時点でシューマッハは、ドライバーズ・ランキングで2位のルーベンス・バリチェロ(フェラーリ)に7ポイントの差をつけて首位に立っている。バリチェロは4位入賞を果たした。この結果、コンストラクターズ・ランキングでスクーデリア・フェラーリ・マールボロ・チームが首位を守り、2位とのポイント差を16に広げた。今週末、高い気温の中でもブリヂストンタイヤの競争力は高く、フェラーリ・チームの成功に加えて、フェリッペ・マッサ(ザウバー)が今季初ポイントを獲得した。
●菅沼寿夫/ブリヂストン・モータスポーツ・テクニカル・マネージャー:
「表彰台の中央に立つミハエルを見るのは素晴らしい気分だ。このような過酷な状況下でブリヂストンタイヤのパフォーマンスが安定性と速さを発揮できたということだ。路面温度が40度台に達してからも我々のパフォーマンスは力強かった。それでもまだ改善の必要があると考えているので、これからも懸命に作業に取り組み、今後のレースにも引き続き新しいコンパウンドを導入することになるだろう。しかし、今週のレースが大きな転機であったことは間違いない。ライバルたちは、たとえヨーロッパの夏が焼けつくように暑くなったとしても、今年の我々は強さを発揮すると考えるだろう。フェリッペ・マッサのポイント獲得も大変うれしい。タイヤがザウバー・マシンと連携して強さを発揮したことは素晴らしかった。ニック・ハイドフェルトは不運なリタイヤに終わったが、全般にブリヂストン装着マシンが十分な強さを見せて最後まで走りきったことをうれしく思う。」
●ロス・ブラウン/スクーデリア・フェラーリ・マールボロ テクニカル・ディレクター:
「素晴らしいレースだった。ある意味では、条件が厳しいこのコースで勝てたことは、オーストラリアの優勝以上に意義深いことだ。私はブリヂストンが素晴らしい仕事をしてくれたと思う。過去数年間の我々のこの地でのパフォーマンスを振り返ると、今日の勝利は本当にブリヂストンのおかげだと言える。本当に厳しいレースだった。タイヤはセッションの様々な箇所で好調だったが、特に各セクターで終盤に向けて調子が上がっていったので、ミハエルはまさに必要なときに差を広げることができた。これから厳しい1年が待ち構えているが、(今日の勝利は)良い兆しであり、このような過酷な条件で勝てたことは本当に素晴らしいことだ。」
●ウィリー・ランプ/ザウバー・ペトロナス テクニカル・ディレクター:
「何かが起こるたびにマシンについて理解を深めている。全体的にはほとんど問題がなかった。ブリヂストンのニュータイヤは大きな進化を遂げている。この最新世代のタイヤのパフォーマンスは、本当に進歩した。イモラで有意義なテストを行うことができたし、これまではこのような高温のサーキットは我々のライバルたちに有利だったものの、今回はそれが当てはまらなかったことを考えると、今後のレースに向けた展望は明るいと言える。」