秋のオーストラリアでの開幕戦が終わり、BARは高温多湿のクアラルンプールで、ヒートアップした戦いとなるであろうマレーシアGPに臨む。
開幕戦で新車006がまずますのパフォーマンスを見せたBARは、セパン国際サーキットでのレースを楽しみにしている。
ジェンソン・バトンは昨年のマレーシアで素晴らしいパフォーマンスを見せ、2ポイントを獲得した。その前の2002年には、途中まで初の表彰台が期待できていたものの、最終ラップでサスペンションにトラブルを抱えて後退。それでも、自身ベストタイとなる4位を獲得した。
「先週のメルボルンで素晴らしい結果を収めることができた。次のマレーシアも期待できるよ」とバトン。「早くもポイントが獲得できて嬉しく思っている。セパンにはオーストラリア以上のパッケージで臨むので、前戦に続き予選や決勝で好成績が収められると期待している」
「セパンサーキットはとても楽しめるサーキットだ。高速コーナーがたくさんあるし、超高速ストレートもあるしね。セパンでは昔、いい成績を獲ったことがある。ここはメルボルンよりオーバーテイクのチャンスがいっぱいあるので、より激しいバトルが見られると思うよ。開幕戦で006の信頼性がとてもよかったので自信を持っている。あれからマシンとミシュランタイヤのテストでさらに走り込みを行っているので、スピードがますます上がるはずだ」
僚友の佐藤琢磨は2002年、デビュー2戦目でマレーシアGPを戦った。当時ジョーダンに所属していた佐藤は、9位完走を果たしている。
「マシンの信頼性が証明されたので、マレーシア戦には自信を持って臨める」と、バトン同様明るい見通しを語る佐藤。「オーストラリアではポイントが獲れず、個人的にはがっかりだったけれど、チーム全体としてはとても素晴らしい開幕スタートがきれたと思っている」
「マレーシアでは、オーストラリア以上のマシンが準備できるはずだ。空力パーツをいくつか新しくした。本番を心から楽しみにしている。マレーシアで過去に1度しかレースをした経験がないけれど、あそこはトラックがよく、とても素晴らしいGPだ。近年新しく作られたサーキットなので、あまりチャレンジングでないと考える人もいるかもしれないが、セパンは類を見ないユニークなサーキットで、高速コーナーの多さが特徴だ。高温多湿な天候も特徴のひとつで、フィットネスがとても重要になる。クアラルンプールへ行く前に、僕は肉体トレーニングのためにランカウィで5日間のキャンプを行う予定でいる」
開幕戦終了後、BARはバレンシアで4日間に渡るテストを行った。テストでは、サードドライバーのアンソニー・デイビッドソンが2004年形のコンセプトカーをドライブし、マレーシアでの金曜午前中のセッションに向けて、タイヤのテストとセットアップに励んだ。
チームボスのデイビッド・リチャーズは次のように語っている。「開幕戦のパフォーマンスについて綿密に分析するチャンスを得た。オーストラリアでは2台とも完走を果たし、1台はポイントも獲れ、とても喜んでいる。しかし、マシンもチームも、開幕戦以上のパフォーマンスが可能なはずだと考えている。サーキットのレイアウトといい暑さといい、マレーシアはメルボルンと全く異なっているが、BARには有利な条件が揃っていると思う。トラックに戻り、冬期テストから取り組んできた進化がさらに続くことを楽しみにしている」