昨年のIRLチャンピオンであるスコット・ディクソンが来年F1に転向するのではないか、という話は昨年後半から何度か持ち上がっているが、今シーズン開幕前にまたしてもこの話が再浮上している。
F1転向説を唱えているのはディクソンの母国ニュージーランドのメディアで、この記事を採り上げたGrandrpix.comによれば、ディクソンはあるF1チームとの契約が完了する寸前だという。スコット・ディクソンはニュージーランド出身の23歳。彼は昨年IRLにおいて3勝を上げ、シリーズチャンピオンを獲得した。彼はF1への希望をあちこちで語っており、昨シーズンの後半F1レースウィークにサーキットに顔を出し、各チームと交渉を重ねる姿も目撃されている。彼が在籍するターゲット・チップ・ガナッシ・レーシングとの契約満期は今シーズンいっぱいということもあり、転向説が何度も浮上するのは当然とも言える。
では、その契約寸前のチームは一体どこなのだろうか?
Grandrpix.comはBMWウイリアムズに違いない、と記事を続けている。その理由として、第1に、ディクソンが目指すトップチームの中で、フェラーリ、マクラーレンは2005年のドライバー契約を既に決めてあり、シートが確定していないのはウイリアムズだけであること。第2に、ウイリアムズのスポンサーはアメリカにおいて知名度の高いドライバーの起用を喜ぶこと。IRLチャンプのディクソンはもちろんアメリカにおいて相当な知名度を持っている。第3に、チップ・ガナッシとウイリアムズの関係の深さが挙げられている。2000年にファン-パブロ・モントーヤはガナッシでインディ500優勝を飾り、翌年ウイリアムズからF1デビューを果たしている。この移籍には両チームの入念な情報交換があったとされている。モントーヤが来シーズン、マクラーレンに移る事となった今、モントーヤの後釜をガナッシとウイリアムズが相談している可能性は十分にあるという論理だ。
続報が非常に気になるニュースではあるが、多くの噂が飛び交うF1の世界においては、このニュースも開幕前のただの賑やかしになってしまう可能性は十分にある。