最新記事
- ローソン、不運が相次ぎ、最終的にリタイア「...
- 角田裕毅、スタート時のトラブルが響き入賞に...
- 【岩佐歩夢インタビュー】「与えられた仕事を...
- 岩佐歩夢が2度目のFP1走行「すべてに満足。将...
- 角田裕毅、FP1欠場も初日10番手「マシンの感...
- 14位のローソン「他チームと戦う十分な速さが...
- 角田裕毅、レースペースの悪さに苦しみ13位「...
- 角田裕毅、予選14番手「全力を尽くしたが、ペ...
- 角田裕毅、FP1で5番手もスプリント予選はQ1敗...
- 【角田裕毅F1第22戦分析】初日からペース改善...
- 角田裕毅9位、選手権6位争いにおいて価値ある...
- 角田裕毅が予選7番手「大満足。アップグレー...
【F1インタビュー】同士討ちを喫し、レッドブルの優勝争いを妨げた角田は「今までで一番へこんでいた」と山本雅史氏
2022年7月9日
F1第10戦イギリスGPに続き、第11戦オーストリアGPの現場にも足を運んだ元ホンダの山本雅史氏。舞台となるのはレッドブルリンクで、その名の通りレッドブルの地元だ。
山本氏はイギリスGPを振り返り、同士討ちのきっかけを作った角田裕毅(アルファタウリ)について「いままでで一番へこんでいました」と明かした。一方レッドブルについては、角田のマシンから落下したパーツで車体にダメージを負ったマックス・フェルスタッペンが優勝争いから脱落したものの、投入したアップデートの効果が見られたことに前向きな姿勢であると語った。
────────────────────
──前回のイギリスGPではレッドブルは実力を出せないまま終わってしまいました。
山本雅史氏(以下、山本氏):実力を出せないまま終わったというより、土曜日のフリー走行3回目でマックス(・フェルスタッペン)がコンマ4秒くらい2番手を離していたことを考えると、十分アップデートのパフォーマンスを見せたと思います。レースではアルファタウリのデブリを拾って残念な結果になってしまいましたが、レース序盤にフロントウイングを破損して最後尾に落ちたチェコ(セルジオ・ペレス)がセーフティカーにも助けられたが、2位まで挽回しました。アップデートの効果があったということはポジティブで、レッドブルはそんなに焦っていません。今日マックスとも話をしましたが、「あの角田(裕毅)のデブリ、ごめんね」と言ったら、「OK、大丈夫。僕もいい経験したよ」と笑っていました。さすがチャンピオンは余裕だなと思いました。
──フェルスタッペンはSNSでも、そのデブリに笑顔を見せていましたよね。
山本氏:あの写真はよかったね。やっぱりチャンピオンたる人間だなと思いました。でも、ピエール(・ガスリー)はまだ怒っていたなあ。木曜日に会ったときも、「あいつはクレイジーなやつだ」と、まだチクチク言っていました。「普通はあんなところで抜いてこないよね」とも。同じドライバーでもチームメイトとそうでないでは違うんだなあと思いました。
──角田選手はどんな様子でしたか?
山本氏:いままでで一番へこんでいました。
──そのへこんでいる角田に対してどんな言葉を?
山本氏:「もう終わったことを引きずってもしょうがないんだから、切り替えてやるしかない。ここはレッドブルの地元だから頑張りなさい」と言ったら、「そうですね」と。
──今年はああいうミスはありませんでしたが、ここにきて急にミスが起きているのはどう分析されていますか?
山本氏:ピエールの残留がカナダGP後に発表されて、現時点でレッドブルの4人のドライバーで来年の契約が発表されていないのは角田だけじゃないですか。そういった意味では大なり小なり、「自分はまだ認めてもらえてないのかな」とか、いろんなことを考えてしまうと思います。カナダGPにしろ、イギリスGPにしても、なんとかチームのためにポイントを獲らなきゃっていう気持ちがこの2戦、変に強く出てしまったと私は見ています。ただ、ピエールだって、アレックス(アレクサンダー・アルボン)だって、(カルロス・)サインツもそうだったように、みんなこういう苦しみやプレッシャーは通過してきたので、気にしない方がいい。もちろん、気にしないでと言われても気にするんだろうけど……。
──今までで一番へこんでいたのですね。
山本氏:私にはそう見えました。ピエールと当たって、チームメイトをリタイアに追い込んだだけでなく、マックスの優勝も結果的にフイにしたわけですから。あの不運がなければ、マックスはレースに勝っていたと思います。本人も「ダブルパンチです」と言っていました。
──ヘルムート・マルコさんはモナコのときの角田選手の無線がちょっと酷かったと言っていましたよね。あのときもシルバーストンの時も、接触した後、無線でFワードを使ってました。
山本氏:メンタル的なところが少し悪く出ているというのが事実なんじゃないですか。確かにその無線の件もそうですし、あれは自分がまいた種なんだから自分が怒ることではない。その辺はもう少し冷静にならないと。今回、イギリスからオーストリアへの移動は、角田のトレーナーと一緒の飛行機だったのですが、トレーナーが「ヤマモトサン、オーストリアに行ったらユウキに話しかけてあげて」って言っていました。みんな角田の速さを認めているので、精神的な面をサポートできる人がいればいいんですが……。
──岩佐歩夢選手はF2からF1を目指していくと思いますので、スーパーライセンスを獲らなければいけません。今年はいきなりランキング4位以上でシーズンを追えるのは厳しいかと思いますが、今後について聞かせてください。
山本氏:でも可能性はまだあると思いますので、今年はまず精一杯やってほしいです。イギリスGPが終わったあとにご飯を食べに行って、こんなことをアドバイスしました。「チームがいかに一体になってシーズンを戦えるかがチャンピオンになる決め手だし、それをきちんと学びなさい。信頼関係を築いて戦っていけば、岩佐君なら必ず結果が残るから」。そして、「マルコさんも岩佐が所属するダムスのトップと話していたので、安心してオーストリアに行きなさい」と伝えました。本人も「そうですね」と言ってました。
一生懸命やった結果、今年スーパーライセンスが獲れたら獲れたでラッキーですし、獲れなかったらまた新たな道を作ればいい。いまはまずは目の前のレースに集中してほしいです。
──今年ランキング4位以上を獲れればもちろんですが、なかったとしても来年もまだチャンスがあるということですね。
山本氏:だから今年だけのターゲットに終えるのではなく、長い目で見る必要があります。どちらに転んでもいいように、レッドブルジュニアとして、きちんとマルコさんも考えてくれていますし、それを私も聞いていますから大丈夫だと伝えています。
──この間のメカニックのミスに関して岩佐選手が、「僕もミスすることがあるので、完璧を求めないで、コンスタントにやろう」とコメントしていました。
山本氏:チームのオーナーがミーティングで「お前たち、アユムのレースを台無しにして、このままじゃアユムとチャンピオンシップを獲りに行けなくなってしまうじゃないか」と檄を飛ばしていたらしいです。今後が楽しみです。
(インタビュー 尾張正博/文 河村大志)
関連ニュース
12/6(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
12/7(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
12/8(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
1位 | マックス・フェルスタッペン | 437 |
2位 | ランド・ノリス | 374 |
3位 | シャルル・ルクレール | 356 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 292 |
5位 | カルロス・サインツ | 290 |
6位 | ジョージ・ラッセル | 245 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 223 |
8位 | セルジオ・ペレス | 152 |
9位 | フェルナンド・アロンソ | 70 |
10位 | ピエール・ガスリー | 42 |
1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 666 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 652 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 589 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 468 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 94 |
6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 65 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 58 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 46 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 4 |
第19戦 | アメリカGP | 10/20 |
第20戦 | メキシコシティGP | 10/27 |
第21戦 | サンパウロGP | 11/3 |
第22戦 | ラスベガスGP | 11/23 |
第23戦 | カタールGP | 12/1 |