F速

  • 会員登録
  • ログイン

フェルスタッペンへの抗議で明白になった規則変更。F1レースディレクターが文書を「カット&ペースト」で混乱発生

2022年6月5日

 F1モナコGP決勝で、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はピットアウト時にピットレーン出口のラインを踏み、タイヤの一部がラインの外に出たものの、ペナルティを受けなかった。国際モータースポーツ競技規則の文言が変更されたことが周知されていなかったために混乱が起きた。


 フェルスタッペンとセルジオ・ペレス(レッドブル)が共に、ピット出口のイエローラインの右側を維持しなかったとして、フェラーリは抗議を行った。


 2021年シーズンまで、ピットアウト時の規則は、以下のように定められていた。
「不可抗力(スチュワードがそう認めたもの)の場合を除き、ピット出口において、コース上の車両とピットを離れる車両を分離するためにコース上に描かれたラインを、ピットを離れる車両のいかなる部分も越えてはならない」


 モナコのレースディレクターが発行した『イベントノート』にも、これに従い、「ドライバーはピットを離れる際にピット出口の黄色の実線の右側を走行し、ターン1の後に終了するまでこの線の右側に留まらなければならない」と記されていた。

2022年F1第7戦モナコGP セルジオ・ペレス(レッドブル)
2022年F1第7戦モナコGP セルジオ・ペレス(レッドブル)

 ペレスについては調査の結果、タイヤは一切イエローラインの左側に出なかったことが明らかになり、不問に付された。一方、フェルスタッペンの場合は、タイヤの一部がイエローラインの左側に出ていたことが判明した。


 これはイベントノートに従えば、違反とみなされるものとみられる。しかし国際モータースポーツ競技規則の附則L第5条は、2021年シーズン終了後に、「マシンのいかなる部分もラインを越えてはならない」ではなく「タイヤはラインを越えてはならない」に変更されていた。


 この変更がイベントノートに反映されていなかった。イベントノートではなく新規則をもとに、フェルスタッペンはタイヤの一部がラインを越えただけで、タイヤ全体が越えたわけではないとして、違反ではないと判断された。


 レースディレクターは、「イベントノートは、2021年バージョンのノートから“カット&ペースト”したため、2022年の附則Lへの変更が反映されなかった」と認めた。


 この混乱により、4人のFIAスチュワードがフェラーリの抗議についての裁定を下すまでに約3時間かかった。

2022年F1第7戦モナコGP セルジオ・ペレス(レッドブル)が優勝
2022年F1第7戦モナコGP セルジオ・ペレス(レッドブル)が優勝

 しかしこの問題はさらに長引きそうだ。今後、ドライバーたちは、タイム上のメリットがあれば、ピットレーン出口のラインを踏むはずだ。そして、タイヤすべてがラインの外に出ていたと証明するのは非常に難しいため、今後は抗議と論争が増えることになるだろう。



(Grandprix.com/autosport web)


レース

5/30(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
5/31(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
6/1(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※スペインGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ186
2位ランド・ノリス176
3位マックス・フェルスタッペン137
4位ジョージ・ラッセル111
5位シャルル・ルクレール94
6位ルイス・ハミルトン71
7位アンドレア・キミ・アントネッリ48
8位アレクサンダー・アルボン42
9位アイザック・ハジャー21
10位エステバン・オコン20

チームランキング

※スペインGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム362
2位スクーデリア・フェラーリHP165
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム159
4位オラクル・レッドブル・レーシング144
5位ウイリアムズ・レーシング54
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム28
7位マネーグラム・ハースF1チーム26
8位ステークF1チーム・キック・ザウバー16
9位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム16
10位BWTアルピーヌF1チーム11

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第9戦スペインGP 6/1
第10戦カナダGP 6/15
第11戦オーストリアGP 6/29
第12戦イギリスGP 7/6
第13戦ベルギーGP 7/27
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号