ミナルディがゾイト・バウムガルトナーと「条件付契約」の合意に達したというニュースが流れた結果、ジャスティン・ウイルソンは2004年、F1の荒野に投げ出されることになりそうだ。
これで残るシートはジョーダンのみとなったが、残りシートの数同様、残された時間も刻々と減っていく。2003シーズンにウイルソンは印象に残る働きをしたが、ジャガーでシートをキープするには十分ではなかったようだ。
ミナルディはそれ以前の土曜日、すでにジャンマリア・ブルーニと契約を交わしており、またバウムガルトナーの契約も完了に近づいている。もしFIAが来季のテスト規定を変更しなかった場合、ウイルソンの立場は非常に弱いものとなる。その規定が変更されればこのイギリス人ドライバーは、GPでの金曜日セッションの際にテストを行う事が出来る。
現在の規定ではウイルソンは経験がありすぎて参加することが適わず、彼の運命を封印している。
その一方ジョーダンは、スポンサー確保の条件付きながらニック・ハイドフェルトと契約することが確実視されている。ヨス・フェルスタッペン、アラン・マクニッシュ及びマルク・ジェネもまたシート獲得の候補者であったが、ウイルソンの位置はかなり遠いと考えられている。
チーム責任者、エディー・ジョーダンはイギリスのガーディアン紙にこう語っている。
「私の最優先事項は、必要とするスポンサーをすべて獲得することだ。ドライバーを決定するのはそれからだ。スポンサーがドライバーより先に決まるのが理想的だ。いずれにせよ資金的なサポートが無いジャスティンを考慮に入れることは難しい」
それでは、ウイルソンに残されている選択肢と挙げてみると……。
大きいチームとのテストドライバー契約ができれば。それが賢い選択のように思える。しかしマクラーレンはアレックス・ブルツとペドロ・デ・ラ・ロサ、フェラーリはルカ・バドエルとルチアーノ・ブルティで決まっている。ザウバーのドライバーという選択肢も言うまでもなく、フェリペ・マッサとジャンカルロ・フィジケラで決定しており可能性は無い。
現在保有しているテストドライバーがマルク・ジェネのみのウイリアムズには可能性がありそうだが、残念ながら彼らのウイルソンへの興味は非常に薄い。
その他のチームでは、ルノーはフランク・モンゴメリー、トヨタはリカルド・ゾンタとライアン・ブリスコー、BARはアンソニー・デイビッドソン、ザウバーはジャニ・ニールといった具合で決まっている。またジョーダンとミナルディはテストドライバーを雇用していない。
現状からみると、残念な事だがウイルソンがF1の開幕を見ることは難しそうだ。