最新記事
- 「みんな芝生を走ってペナルティも何もない」...
- 来季用F1タイヤテストにザウバーとメルセデス...
- マーシャルとのニアミスに関し、メキシコ連盟...
- 【F1第20戦ベスト5ドライバー】ベテランです...
- ラッセルの契約に「結果を出せば2027年まで自...
- コラピント、2026年アルピーヌ残留へ前進。チ...
- 自身の強みとコース特性が合わず苦戦したピア...
- アストンマーティン育成のクロフォード、2026...
- デビューを果たした思い出の地でチームベスト...
- FIA、2024年F1コストキャップ審査の結果を発...
- 後継者候補のベアマンがフェラーリに実力アピ...
- ホンダF1初優勝から60年を記念し角田裕毅が『...
【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第3戦】力不足のマシンで良い仕事をした。今は焦って攻めすぎないことが重要
2022年4月20日
2022年、アルファタウリの角田裕毅は、F1での2シーズン目を戦っていく。昨年に続き、エディ・エディントン氏が、グランプリウイークエンドを通して角田の動きをくまなくチェックし、豊富な経験をもとに、彼の成長ぶり、あるいはどこに課題があるのかを忌憚なく指摘する。今回は2022年F1第3戦オーストラリアGPについて語ってもらった。
──────────────────
人生のなかでは、能力があって、勤勉で、積極的な人間が、きちんと物事を進めてもうまくいかないことがある。挑戦し続けて、どれだけ頑張っても、目指している結果が手に入らず、その理由も分からないということは、珍しいことではない。
昔、若いドライバーたちの面倒をみていたころ、彼らに対して常にこう言い聞かせていた。自分がいい走りをして、ミスをほとんど、あるいは全然犯さなかったにもかかわらず、マシンやチームが力を発揮できなかったり、単純に不運だったりして結果を出せなかったのだとしたら、何も気にする必要はない、と。私の豊富な経験によると、ほとんどの場合、シーズンの最後には、運と不運のバランスは取れるものだ。つまり、いつまでも不運ばかりは続かない。
もちろん、たまに並外れて運のいいドライバーもいる。ミハエル・シューマッハー、ルイス・ハミルトン、マックス・フェルスタッペンなどが持ち合わせている、いわゆる“チャンピオンズ・ラック”というやつだ。一方で、恐ろしく運が悪くて、才能に見合った結果を出せなかったドライバーたちもいる。ニュージーランドのレジェンド、クリス・エイモンは、その世代において最速ドライバーのひとりであり、何度もレースでトップを走ったが、一度も勝つことができなかった。マリオ・アンドレッディはかつて、ユーモアたっぷりにこう言ったことがある。「クリスが葬儀屋になったら、誰も死ななくなるのになぁ」
とはいえ、ほとんどのドライバーはほとんどの場合、何度も不運なレースが続いたら、その後には幸運に恵まれることが多い。
「雑談はそろそろおしまいにしましょう」って? いやいや、私は別に意味なくダラダラと話をしているわけではない。私には物事を正確に観察する能力があり、私が発する言葉には、いつだって重要な意味があるのだ。この話は、角田裕毅が今置かれている状況につながっている。オーストラリアGPの彼は、リザルト上は良い順位をつかめなかったが、彼は何も心配する必要はない、という話だ。オーストラリアGPの週末の彼のパフォーマンスを見れば、私の言いたいことが分かるはずだ。
 まず指摘しておきたいのは、裕毅がメルボルンに来たのも、あのトリッキーなアルバートパーク・サーキットを走ったのも、今年が初めてだったということだ(これについて、有名コメンテーターが誰も触れなかったのには驚いた)。
 同じ状況のドライバーは他に3人いた。周冠宇、ミック・シューマッハー、ニコラス・ラティフィだ。そのなかで予選で一番速かったのは裕毅だった。しかも次の周冠宇との差は0.7秒だ。さらに、フリープラクティスと予選で、角田はチームメイトのピエール・ガスリーと同等あるいは上回るタイムを出してみせた。相手は、トップチームで走るのがふさわしいと言われ、非常に高く評価されているガスリーだ。角田はFP1とFP3でそのガスリーより速いタイムを記録したのだ。予選でも非常によくやっていた。Q1ではガスリーから0.16秒差、Q2では、少し態勢を乱しながら0.2秒差だった。
 そしてレースではまたしても見事なスキルを見せて、1周目にバルテリ・ボッタスをパスしてみせた。ところがその後は全くうまくいかなかった。タイヤのデグラデーションがとても高く、AT03のバランスが全くなってなかったからだ。ガスリーですら、さほどいい走りをすることができず、運良く2ポイントを稼ぐにとどまった。
 角田はオーストラリアで何ひとつ失敗しなかったが、15位フィニッシュでノーポイントという結果に終わった。今、彼が避けなければならないことは何か。フランツ・トスト代表がその点はしっかり言い聞かせてくれるものと思うが、「マシンのパフォーマンス不足を補おうとしてプッシュしすぎない」ということが重要だ。
思えば昨シーズンは、イモラから裕毅の状況が悪い方へと転がり始めた。あの時のマシンは容易に予選Q2に進める力があったのに、Q1初めに愚かなクラッシュをしでかしたのだ。彼が今しなければならないのは、プッシュしすぎずに、ベストの走りをすることだ。それができるかどうかが、優れたドライバーと偉大なドライバーの分かれ目になる。ベストドライバーたちはマシンの限界ぎりぎりで走るが、決して限界を超えることはない。
 だから裕毅よ、これからもメルボルンの時と同じアプローチで行くがいい。アルファタウリがしっかり仕事をするならば、いずれはポイントを獲れる日が来る。彼らが失敗したとしても、君は、幸運の女神が味方してくれる時を待ちながら、ベストを尽くしていけばよいのだ。
────────────────────────
筆者エディ・エディントンについて
 エディ・エディントン(仮名)は、ドライバーからチームオーナーに転向、その後、ドライバーマネージメント業務(他チームに押し込んでライバルからも手数料を取ることもしばしばあり)、テレビコメンテーター、スポンサーシップ業務、講演活動など、ありとあらゆる仕事に携わった。そのため彼はパドックにいる全員を知っており、パドックで働く人々もエディのことを知っている。
ただ、互いの認識は大きく異なっている。エディは、過去に会ったことがある誰かが成功を収めれば、それがすれ違った程度の人間であっても、その成功は自分のおかげであると思っている。皆が自分に大きな恩義があるというわけだ。だが人々はそんな風には考えてはいない。彼らのなかでエディは、昔貸した金をいまだに返さない男として記憶されているのだ。
しかしどういうわけか、エディを心から憎んでいる者はいない。態度が大きく、何か言った次の瞬間には反対のことを言う。とんでもない噂を広めたと思えば、自分が発信源であることを忘れて、すぐさまそれを全否定するような人間なのだが。
ある意味、彼は現代F1に向けて過去から放たれた爆風であり、1980年代、1990年代に引き戻すような存在だ。借金で借金を返し、契約はそれが書かれた紙ほどの価値もなく、値打ちのある握手はバーニーの握手だけ、そういう時代を生きた男なのである。
(Eddie Eddington)
関連ニュース
| 10/25(土) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート | 
| フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
| 10/26(日) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート | 
| 予選 | 結果 / レポート | |
| 10/27(月) | 決勝 | 結果 / レポート | 
 
		  
| 1位 | ランド・ノリス | 357 | 
| 2位 | オスカー・ピアストリ | 356 | 
| 3位 | マックス・フェルスタッペン | 321 | 
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 258 | 
| 5位 | シャルル・ルクレール | 210 | 
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 146 | 
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 97 | 
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 | 
| 9位 | ニコ・ヒュルケンベルグ | 41 | 
| 10位 | アイザック・ハジャー | 39 | 
 
  | 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 713 | 
| 2位 | スクーデリア・フェラーリHP | 356 | 
| 3位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 355 | 
| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 346 | 
| 5位 | ウイリアムズ・レーシング | 111 | 
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 72 | 
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 69 | 
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 62 | 
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 60 | 
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 20 | 
 
  | 第19戦 | アメリカGP | 10/19 | 
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 | 
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 | 
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 | 
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 | 
 
   











 契約交渉中のフェラーリF1とサインツ、希望条件につ...
			契約交渉中のフェラーリF1とサインツ、希望条件につ...
			 F1昇格に向け準備万全のピアストリ。アルピーヌ代表...
			F1昇格に向け準備万全のピアストリ。アルピーヌ代表...
			 ノリス、20歳差の元F1王者ライコネンには「僕から言...
			ノリス、20歳差の元F1王者ライコネンには「僕から言...
			 F1エミリア・ロマーニャGP開催に合わせて『Senna No...
			F1エミリア・ロマーニャGP開催に合わせて『Senna No...
			 フェルスタッペンのリタイア原因はポーパシングによ...
			フェルスタッペンのリタイア原因はポーパシングによ...
			 F1技術解説:第3戦(3)ポーパシングやオーバーウエ...
			F1技術解説:第3戦(3)ポーパシングやオーバーウエ...
			 今年は“心構え”が変わったルクレール。早くも34ポイ...
			今年は“心構え”が変わったルクレール。早くも34ポイ...
			 ピレリ、F1第4戦〜第7戦までのタイヤ選択を発表。初...
			ピレリ、F1第4戦〜第7戦までのタイヤ選択を発表。初...
			 F1技術解説:第3戦(2)レッドブルのセッティング失...
			F1技術解説:第3戦(2)レッドブルのセッティング失...
			







