先の週末に開かれたマラネロでのクリスマスの祝典で、ミハエル・シューマッハーが引退の意思を否定するコメントをした。これにより、バリチェロのフェラーリでの将来について再び憶測が飛び交っている。
フェラーリ恒例のパーティだったが、来年12月の契約期限後もルーベンス・バリチェロはチームから必要とされるのかどうかに関連する注目すべき2つのコメントが話題となった。まず今週序盤に発表されたとおり、チーム監督のジャン・トッドは、ザウバーの二人のドライバー、フェリペ・マッサとジャンカルロ・フィジケラを2004年のテストに起用するかもしれないと発言。その一方でミハエル・シューマッハーが、今のところ引退の意志が全くないと繰り返している。
ペーター・ザウバーはまだ公式に両ドライバー使用の要請を了承していないが、マッサはすでにフェラーリ・テストドライバーとして契約も交わしているし、強力なエンジンの提供を受けている以上、これを拒否するのは難しいだろう。マッサとフィジケラの両者にとっては、来季フェラーリF2004をテストできるかもという可能性が、バリチェロかシューマッハーが生きる目的を‘よそ’に見出したとき、スクーデリアの空きシートを射止められるかもしれないという望みにつながっている。
バリチェロは今年初めの発表の時点で、フェラーリ“ドリームチーム”のうち2006年末まで契約を更新していない唯一のメンバーであり、2004年終了後も果たしてマラネロで過ごせるのかどうか不安が募る。2003年の彼はシューマッハーを援護して好パフォーマンスを見せており、まだ若いこともあってライバル他チームに対しても十分商品価値はあるが、当人は、特にシューマッハーが仕事より家族を選んでヘルメットを脱ぐ日のためにも、できるだけ長くフェラーリに留まることを熱望している。
だが、このパーティでシューマッハーは「F1はまだ楽しい」と語っており、バリチェロにとっての“その日”はしばらく来そうにない。
「6度目のタイトル獲得は満足感も特別だった」と祝典中に取材に答えるシューマッハー。「去年はこの目標の達成が簡単にはいかないだろうと予告していたが、そのとおりだったね。タイトル獲得はやっぱりとても大変なことだ」
「しかし、大変だとはいえ、特にレースの勝ち方を考えるときなど、僕自身はまだ楽しめている。何度も言っているとおり、常に僕を負かすような誰かが出てきたらそれが僕の辞め時だ。だが、同じ車に乗っていない限り、それが車の違いなのかドライバーの腕なのかを見分けるのは難しい。それに、僕は34歳だけどまだまだ若いと思っているし、だからこそこれから魅力的な日々が待っていると確信している」
シューマッハーのこうした発言を聞く限り、噂されるように、2004年型フェラーリのテストをしてから輝かしいキャリアに終止符を打つかどうかを決めるということはなさそうだし、またその栄冠を狙う若手の追随も彼にとっては恐れるに足りる存在ではないようだ。