フェラーリF1チーム監督のジャン・トッドが、ザウバーの両ドライバーをフェラーリのF1テストに起用するかもしれないと語り、いつの日か跳ね馬でレースをと夢見るジャンカルロ・フィジケラを発奮させている。
ほぼフェラーリの“ジュニアチーム”状態といえるザウバーに2004年に移籍するフィジケラ。新しいチームメイトはフェリペ・マッサになるが、6度の世界チャンピオン、ミハエル・シューマッハーが現在の契約期限が2006年に終了する前にもしも引退を決めるようなことがあれば、フィジケラかマッサが代わりにシートに着くという噂がささやかれている。マッサは、ザウバーのレースドライバーに復帰しながらも、すでにルカ・バドエルとルチアーノ・ブルティと共にフェラーリ・テストチームの一員にもなっているのだが、フィジケラについては何も決まっていなかった。
しかし、伊ガゼッタ・デロ・スポーツ紙によれば、マラネロで開かれたフェラーリの伝統的クリスマス会食の場でトッドが報道陣に、「フィジケラとマッサをテストに使うかも」と語ったという。
長い間ずっとトップ3チーム入りを望んできたフィジケラだが、イタリア人なればこそ一番の理想はフェラーリだった。だがフェラーリには、創始者エンツォ・フェラーリが、まだF1が安全とはいえなかった頃、同郷ドライバーが命を落とすのを見るに耐えないとイタリア人を起用しない不文律があった。フィジケラはいまだにイタリア人をほとんど起用しないチームを批判することもあったが、このチームの考え方が得策ではないということを、他チームで立証することがいまだできずにいる。
しかし、彼を舞い上がらせること、そしてイタリアの大衆からヒーローを奪うことを避けるかのように、フェラーリ社長のルカ・ディ・モンテゼモロは再びシューマッハーの引退がしばらくはないことを主張した。
確かに同紙報道も、モンテゼモロがシューマッハーと2006年末以降の契約延長について話したとしているが、シューマッハーは報道陣の質問に次のようにほのめかしている。
「6度目のタイトル獲得で特別な満足が得られた。去年はこの目標の達成が簡単にはいかないだろうと予告していたが、そのとおりだったね。タイトル獲得はやっぱりとても大変なことだ」
「前から言っているとおり、常に僕を負かすような誰かが出てきたらそれが僕の辞め時だが、同じ車に乗っていない限り、それが車の違いなのかドライバーの腕なのかを見分けるのは難しい。僕はまだレースのときには自分自身楽しめているし、それに34歳だけれど、まだまだ若いと思っている。そういうわけで、まだあと何年かは続けていけるだろうと確信している」