中国期待の新星、董荷斌(トゥン・ホ−ピン)は、BMWウイリアムズF1チームとのテストを目前に控えている。このテストで、彼は中国人として初めて、現代F1をドライブすることになる。
2004年9月には中国GPが初開催され、世界最多の人口を誇るこの国が、世界最高の人気を誇るスポーツに門戸を開こうとしている。董にとっては願ってもないタイミングだ。
董は、2003年のフォーミュラBMWアジア選手権にチーム・メリタスから参戦し、アジア各地で行われた全14戦で10勝という圧倒的な強さを見せた。それによって董はこのテストの機会を与えられた。フォーミュラBMWシリーズは、BMWモータースポーツによって発案され、ユニークな才能を早い段階で発見して、将来のF1チャンピオンを育てることを目指している。
12月11日にスペインのヘレスで行われるテストを前に、董は、F1マシンのドライブによって身体にかかる大きな負荷に耐えるため、とても厳しい鍛錬を積んできた。
「BMWウイリアムズF1のマシンをドライブする機会を与えてもらえると知ってから、ここ何週間かは、以前よりもっとハードにトレーニングしてきたよ」と、董は語った。「この短い時間の中で、僕は最大限のことをしてきたと思う。すごく大変だろうけど、僕のトレーニングが十分であることを望むよ!」
「今回のテストに向けて、たくさんの準備をしてきたんだ。世界最先端のレーシングカーで、自分の実力を証明できるチャンスなんだからね。僕がBMWウイリアムズF1チームと共にテストすることで、中国のレース界が活気づき、中国でモータースポーツの人気がさらに増すといいな」と、董はテスト前の週末に語った。「僕はこのチャンスをつかむためにものすごく頑張ってきたけれど、それを可能にするために手助けしてくれた人たちにも感謝しなくちゃならない。僕のマネージャーのバート、メリタス・チーム、スポンサーの方々、それにもちろん、BMWモータースポーツとウイリアムズにも感謝したい」
董は先週、イタリアのバレルンガで、スーパーファンド・ユーロF3000のマシンをテストした。彼は、それまで乗っていた140馬力のフォーミュラBMWから、500馬力のF3000マシンに適応しなくてはならなかったが、非常に感銘を受けた。
「おかげで、F1マシンがどんなに難しいか、かなり想像がついたよ。ドライブするのはとても大変だったし、このF3000マシンのパワーとダウンフォースはものすごかった! バレルンガのコースには、いくつか本当に速いコーナーがある。ストレートの後の1コーナーは、トップスピードで5速全開だった。あんなに速いコーナーは生まれて初めてだったよ。250km/hを超えるんだから!」と、テストを終えた董は、興奮しながら語った。