ジョーダン・グランプリで今週テストを行うことになっているニック・ハイドフェルドが、同チームと2004年に向けてレースドライバーとしての暫定契約を結んだ。これでF1引退の危機はひとまず回避できそうだ。
ハイドフェルドは、2003年末でザウバーを解雇され、ザウバーでの元チームメイト、同じドイツ出身のハインツ−ハラルド・フレンツェン同様、F1から引退することになるとみられていた。しかし、自分にはまだ提供できるものがたくさんあると主張し、交渉の結果、クリスマス前にスペインでのテストで走る契約をジョーダンと結んでいたが、このテストを前にして暫定契約にサイン、2004年のレースシートを巡る争いで最有力候補となった。
しかしながら、この契約にはひとつ条件がある。ハイドフェルド本人かチームが、ハイドフェルドのポジションを保証するための資金を見つけなくてはならないのだ。この契約には、シーズン開幕前に資金が確保できなければジョーダンは契約を取り消せる、という条項が設けられている。しかし、ハイドフェルドも、チームの宣伝担当スタッフも、現在スポンサーたちと話をしており、ジョーダンは、2003年にチームに加わったCCTVに続く新しい収入源を探そうと、極東方面を重点的に探している。
チームの第2のシートはまだ空席だが、現在のスポンサー、ベンソン&ヘッジズは、今回もやはりイギリス人を望んでいると思われる。これは、今年のドライバーであるラルフ・ファーマンにとっては朗報かもしれない。また、ジャガーでマーク・ウエーバーのパートナーになれないことを知らされたジャスティン・ウイルソンにとっても同様だ。そして、今季フォーミュラ・ニッポンで活躍した、アイルランド人のリチャード・ライアンにも可能性がある。イギリス出身以外では、ベテランのフレンツェンとヨス・フェルスタッペンも、ジョーダンの選択肢に入っている。