ジャガー・レーシングは、2004年のドライバーとして、クリスチャン・クリエンと契約したことを明らかにした。
クリエンはすぐにジャガーに加入、バルセロナテストにも参加することになる。今年ユーロF3に参戦していたクリエンは、先週ジャガーに招かれ、バレンシアテストに参加、タウンゼント・ベルやジャスティン・ウイルソンと共に走行を行ったが、この時のパフォーマンスを認められると共に、多額のスポンサーマネーを持ちこむことが決め手となったようだ。
「クリスチャンは非常に冷静で、落ち着いており、初めてF1マシンをドライブするというのに、まったく動じていないようだった」とジャガー・レーシングのマネージメント・ディレクター、デイビッド・ピッチフォースはコメントしている。「彼の技術的なフィードバックは素晴らしく、この若者がかなりの能力を持っていることは間違いないと考えている」
オーストリア人であるクリエンは、ドイツ・フォーミュラ・ルノー選手権でタイトルを獲得、今年ユーロF3にステップアップを果たした。F3初参戦にもかかわらず、彼はマールボロマスターズを制し、トヨタのテストドライバーを務めるライアン・ブリスコーに次ぐシリーズ2位を獲得した。
「ジャガーF1のドライバーになれるなんて、僕は世界一の幸せ者だね!」とクリエン。「ここまでくるために、僕は休みなく働いてきた。でも、本当に大変なのはこれからだって分かっているよ。自分を証明する機会を与えてくれたジャガー・レーシングには感謝しているし、これから一生懸命働き、チームに尽くし、最終的にはレースで結果を出すことで、彼らに報いていきたい」
「でも、その前に、マーク・ウエーバーと一緒に2004年型マシンの開発を進めていくという責任がある。冬の間、膨大な時間をテストに費やしていくことになるだろう。これにより、マシンやチームやパートナーについて知ることができ、僕にとって非常に貴重なトレーニングの機会になると思う」
チームがクリエンと契約したことにより、今年終盤5戦をジャガーで戦ったウイルソンはその役目を終えることとなる。ウイルソンはジャガーからテストドライバーとしてのオファーを受けているものとみられる。しかし、来季のレギュレーションでは金曜のフリー走行で走れるサードドライバーには、過去2年間で出場したグランプリ数が制限されているため、ウイルソンはこれには参加できず、グランプリの週末以外でのテストを担当することになる。
ウイルソンがジャガーのテストドライバーよりもレースに出ることを望む場合、選択肢としてはジョーダンとミナルディのシートがある。ジョーダンのスポンサー、ベンソン&ヘッジスはイギリス人ドライバーとの契約を望んでいるとみられており、ミナルディのボス、ポール・ストッダートは今年前半同チームに在籍していたウイルソンが戻ってくるのを歓迎するコメントを発している。しかし、どちらの場合も、問題となるのは持参金の額だろう。