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マセラティ、2023年からフォーミュラEに参戦。トップが明かしたモータースポーツ戦略の今後
2022年1月11日
モータースポーツだけでなく、クルマの最新技術から環境問題までワールドワイドに取材を重ねる自動車ジャーナリスト、大谷達也氏。本コラムでは、さまざまな現場をその目で見てきたからこそ語れる大谷氏の本音トークで、国内外のモータースポーツ界の課題を浮き彫りにしていきます。今回は、マセラティが2022年1月10日に一部メディア関係者を招いて行ったフォーミュラE参戦発表の記者会見の模様をお伝えします。
* * * * * *
イタリアのラグジュアリーカーブランドであるマセラティが2023年に開幕するシーズン9からフォーミュラEに参戦することを決め、同社のダヴィデ・グラッソCEO、マセラティが属するステランティス・グループのモータースポーツ活動を統括するジャン-マルク・フィノ、フォーミュラEの創設者でもあるアレハンドロ・アガグ会長らが一部のメディア関係者との記者会見に応じた。
冒頭、グラッソCEOは次のように述べた。「今日は、マセラティの将来を決める日といっても過言ではありません。マセラティは、未来に向けて歩むため、そのルーツに立ち返ることにしました。もともとマセラティは、モータースポーツの世界で誕生したブランドです。本日、マセラティはフォーミュラEに参戦する初のイタリア・ブランドとなることを、ここに発表します」
アルフィエリ、エットーレ、エルネストのマセラティ3兄弟によって1914年に設立されたマセラティは、当初より積極的にモータースポーツに参戦。1954年と1957年には、マセラティを駆ったファン-マヌエル・ファンジオがF1チャンピオンに輝いている。グラッソCEOがいうとおり、モータースポーツはマセラティのDNAといっても差し支えのないものだ。
いっぽうで、現在のマセラティが精力的に電動化を推進しているのも事実。彼らは2020年に「今後発表するすべてのモデルにフル電動化仕様を用意する」と言明しており、数あるラグジュアリーブランドのなかでもいち早く“フルラインナップEV”を実現することが期待されている。そうした戦略を考えれば、彼らがフォーミュラEに参戦するのは、自然な流れといえるだろう。
ただし、参戦するチームやドライバーについては「現在準備中」であることを理由に、今回は発表されなかった。計画では、それらは今後数週間程度で確定することになるようだ。
気になるのは、すでにフォーミュラEに参戦しているフランスブランド、DSとの関係だ。DSは、もともとプジョー・シトロエン・グループ(PSA)傘下のブランドだが、2021年、PSAとフィアット・クライスラー・グループ(FCA)はステランティスというひとつのグループを結成。FCA傘下にあったマセラティとDSは同一のグループに属することになった。
ひとつのグループに属するふたつのブランドが同じ世界選手権で戦うとは、まるで世界耐久選手権に参戦していた当時のアウディとポルシェを髣髴とさせる状況だが、マセラティの参戦後もDSはチャンピオンシップに留まるのだろうか? この疑問に対しては、ジャン-マルク・フィノが回答した。
「マセラティとDSの2ブランドがフォーミュラEを戦うことになります。フォーミュラEという技術的な実験場でふたつのブランドが覇を競うことには重要な意味があります。彼らは互いに競いあうことになるでしょう」
ちなみにステランティスのモータースポーツ部門には、電動化パワートレイン、内燃機関、駆動系などを開発する部署があり、そこで生み出されたテクノロジーを各ブランドは利用できる模様。そのいっぽうで、マセラティやDSが自分たちの戦略にあわせた技術開発も行えるようなので、マセラティとDSのフォーミュラEマシンが完全に同一のものになることはなさそうだ。
また、イタリアの自動車ブランドがフォーミュラEに初参戦することについて、フォーミュラEのアレハンドロ・アガグ会長は「われわれは、すでにローマでイベントを開催しているほか、イタリア企業の協賛も得ています。また、シーズン8からはイタリア人ドライバーもエントリーします。新たにマセラティが参戦することで、イタリア人ファンにとってフォーミュラEは理想的な選手権となるでしょう」と語り、マセラティの参入を歓迎した。
ちなみに今回、グラッソCEOは「(フォーミュラE参戦は)マセラティのモータースポーツ戦略における第一歩」と言明し、フォーミュラE以外のカテゴリーに参戦することに含みを残した。これについて改めて問われたグラッソCEOは、「すでに私たちはスーパースポーツカーのMC20を発表し、数ヵ月以内には新型のグランツーリスモが発表されます。これらの登場によってモータースポーツ活動が推進される可能性は残されています」と語り、他選手権に参戦する可能性を否定しなかった。
これを受けて、私が重ねて「マセラティがフォーミュラE以外の選手権に参戦する可能性はないか?」と訊ねると、グラッソCEOは次のように語ったのである。
「私の友人であるステファノ・ドメニカリ(フォーミュラ1会長兼CEO)が噂話を広めているようですね。フォーミュラ1は究極のチャンピオンシップで、マセラティはファンジオとともにチャンピオンシップを勝ち取ったことがあります。したがって、あなたの質問は的外れとはいいきれません。ただし、私たちはいま、フォーミュラEに集中しているところです。それ以外のことについては、時がきたらお知らせすることにします」
フォーミュラE参戦をきっかけにして、今後マセラティのモータースポーツ活動がさらに活発になることを期待したい。
(Text:Tatsuya Otani
Photo:Maserati)
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2位 | ランド・ノリス | 374 |
3位 | シャルル・ルクレール | 356 |
4位 | オスカー・ピアストリ | 292 |
5位 | カルロス・サインツ | 290 |
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1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 666 |
2位 | スクーデリア・フェラーリ | 652 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 589 |
4位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 468 |
5位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 94 |
6位 | BWTアルピーヌF1チーム | 65 |
7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 58 |
8位 | ビザ・キャッシュアップRB F1チーム | 46 |
9位 | ウイリアムズ・レーシング | 17 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 4 |
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