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ジャン・トッド、FIA名誉会長に就任も、フェラーリ復帰のうわさを否定せず

2021年12月23日

 2021年F1最終戦を前に、ジャン・トッドが、FIA会長の座から退いた後にフェラーリに復帰することを考えているという報道がなされた。その後、トッドは任期満了後にFIA名誉会長に任命されたが、トッド自身は、それでもフェラーリ入りの可能性はないわけではないと示唆している。


 フランス出身で75歳のトッドは、FIA会長を4期連続で務め、これ以上の留任は許されないため退任した。イタリアのメディアは、トッドがステランティス会長およびフェラーリ会長を務めるジョン・エルカーンに接触し、フェラーリの非常勤コンサルタントを務めることを申し出ていると報じた。


 トッドは1993年7月から2007年までスクーデリア・フェラーリを率いて、ミハエル・シューマッハーとともに5年連続のタイトルをチームにもたらした。その後もフェラーリ社に残り、社長の座に就いていたが、2009年序盤に同社から去った。その理由は公にされていないうえに、友好的な契約の終わり方には見えなかった。

2006年フェラーリ・ワールドファイナルズでのミハエル・シューマッハー(フェラーリ)とジャン・トッド代表
2006年フェラーリ・ワールドファイナルズでのミハエル・シューマッハー(フェラーリ)とジャン・トッド代表

 数年の間、トッドの名前はフェラーリF1チーム内で口に出されなくなったといわれる。息子のニコラス・トッドはドライバーマネージメントを手掛けているが、担当するフェリペ・マッサがチームを離れ、ジュール・ビアンキが亡くなり、一時フェラーリとの関係が途切れた。しかしその後、シャルル・ルクレールを通じてマラネロとのつながりができ、徐々にトッド家とフェラーリの関係は修復されていった。


 トッドのフェラーリ復帰について、アブダビの週末に聞かれたビノット代表は、肯定も否定もしなかった。


「その話は聞いた。ある推測について記事を読んだよ。私に言えるのは、今のところそれは推測にすぎないということだ」


「ジャン・トッドとは一緒に働いたことがある。彼は私のボスだったのだ。彼からたくさんのことを学んだ。彼と一緒に仕事をすることができて光栄だった」


「将来何かが起きたとして、また一緒に働けるなら私にとって光栄なことだ。彼から学ぶことがまだたくさんあると思うからね」


 しかし、FIA世界モータースポーツ評議会の2021年最後の会合が12月15日に開催された際に、トッドの功績を讃え、彼をFIA名誉会長に任命することが承認された。


 そのため、トッドのフェラーリ入りの可能性は消えたかと思われた。しかしトッド自身が、その見方を打ち消すような発言をした。彼はフランスの『L’Equipe』のインタビューにおいて、「国際連合などとの他の仕事があるので、現実的になる必要があるが、顧問役が両立可能なものであれば、他の可能性を完全に締め出すつもりはない」と語ったのだ。

2021年F1サウジアラビアGP FIA会長を退任するジャン・トッドにステファノ・ドメニカリF1 CEOとドライバーたちが感謝
2021年F1サウジアラビアGP FIA会長を退任するジャン・トッドにステファノ・ドメニカリF1 CEOとドライバーたちが感謝

 トッドのフェラーリ入りのうわさが流れ始めた時点では、彼の役割は、FIA、FOM、および主要スポンサーと連携することであり、ビノットはチーム代表にとどまり、チーム運営と他チームとのやり取り等を担当するものと推測されていた。


 だが、エルカーン会長はトッドの申し出を受け入れることを躊躇しているようだ。フィアット創業家として知られるアニェッリ家のメンバーであるエルカーンは、12年以上前にトッドが突然フェラーリを去ることになった状況についてよく知っており、またチームがFIAとつながりがある人間を迎えた場合の外部からの批判についても懸念している。


 トッドがフェラーリに加わることに他のF1チームが反発するのは間違いない。トッドは、長年におよぶ任期中に自らFIAの役職に採用した人々とやりとりをしていくことになり、FOMの代表を務めるステファノ・ドメニカリとは個人的に親しい関係にあるのだ。トッドのスクーデリア・フェラーリ時代終盤に、ドメニカリは彼の右腕を務めていた。



(Grandprix.com/autosport web)


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