最新記事
- 【2025年F1トップ10ドライバー】5位ラッセル...
- 精神的な弱点を克服したノリスとチャンピオン...
- 松田次生のF1目線:メンタルが鍵となった2025...
- 順位も報酬も鰻登り。新チャンピオンのボーナ...
- 【F1チーム別技術レビュー:フェラーリ】SF-2...
- タイトル獲得を実感するには「時間がかかる」...
- 【2025年F1トップ10ドライバー】6位サインツ...
- 【2025年F1ベスト・カラーリング・アンケート...
- 技術陣を再建し、実力で表彰台も見えた2025年...
- F1招致を目指すルワンダ、協議の進展を主張「...
- 【2025年F1トップ10ドライバー】7位ハジャー...
- 厳しいマルコの監督下でF1昇格を決めたリンド...
F1第22戦木曜会見:硬い表情を見せたフェルスタッペン「自分のベストを尽くして、勝ってレースを終えたい」
2021年12月11日
ルイス・ハミルトン(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)のタイトル争いばかりが注目されがちだが、中団の戦いも熾烈だ。たとえばドライバーズ選手権暫定5位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)とランド・ノリス(マクラーレン)の差は、わずか4ポイントだ。ただし勢い的には、ルクレールが優勢だ。秋のロシアGP終了時点ではまだ絶好調だったノリスは選手権4位に君臨し、7位のルクレールに35点もの大差を付けていた。ところがそこからの終盤6戦で、あっという間に逆転してしまったのだった。
しかし木曜会見に並んで出席したふたりに、「もう勝負はついたのでは」と司会者が問いかけると、ルクレールは「とんでもない」と、きっぱり否定した。「たった4ポイントだよ。残り1戦では、すべてが起こり得るからね」。
「ランド、きみはどう思う?」。そう振られたノリスは少しの間考えて、「ブレーキテストでもやってみようかな」と、答えた。「10秒ペナルティだけだったら、試してみる価値はある」
これはもちろん、前戦サウジアラビアGPでフェルスタッペンが急減速してハミルトンが追突、マシンがダメージを負った一件を指す。だとしてもかなり微妙というか、際どいジョークだ。天真爛漫さがみんなに好かれているノリスだからこそ、口にできる冗談というべきだろう。それにしてもシーズン後半のマクラーレンの失速は、いったいどういうことなのか。ノリス自身も、そこが一番気になっているはずだ。
そして会見最後には、ノリスがネタにしたフェルスタッペンとハミルトンが登場した。サウジ以降はお互いを非難したり、FIA裁定にあからさまに不満を述べたりしていただけに、さぞ緊張感の漂うセッションになるのではと思われた。ところが当事者ふたりは、意外にリラックスした雰囲気だった。
「ふたりの今までのレースキャリアでも、最も重要な週末なのでは」という問いに対しても、ハミルトンは自分を支えてくれたチームスタッフへの感謝を述べ、フェルスタッペンは「F1全体の見地からはそうかもしれない。でも僕自身は、この状況をすごく楽しんでいるよ」と、時に笑顔を浮かべながら語っていた。
──サウジアラビアGPのあとここに来るまで、どんな時間を過ごしたのですか?
フェルスタッペン:ドバイでおいしい食事を友人たちと楽しんだり、ガールフレンドの誕生日を祝ったりした。F1はもちろん大事なことだけど、それと同じくらい大事なことが人生には他にもあるということさ。
そしてハミルトンも、同じドバイに滞在していた。
ハミルトン:トレーニングしたりして、レースの疲れからのリカバリーに専念していたよ。それから市内の施設で、人工的なスカイダイブも体験した。
と、ここまでは比較的和やかに進んだ会見だったが、ジャーナリストたちの個別質問で空気はがらりと変わる。メディアにしてみれば、今季ここまで何度も接触を繰り返してきたふたりなだけに、それについての思いはぜひ訊いてみたいところだ。
──もしタイトルが接触事故という形で決着してしまったら、という危惧はありますか。
フェルスタッペン:ドライバーは普通、そういうことは考えない。メディアがそういうことを言い出してるのは承知しているけど、僕がこの週末考えるのは自分のベストを尽くして、できれば勝ってレースを終えたい。それだけだ。
ハミルトン:付け加えることはほとんどないけど、自分がコントロールできないことは考えても仕方がない。自分にできることは、ベストを尽くすことだけだ。チームも僕も、勝つことだけを考えている。それ以外のエネルギーは使わないよ。
FIAは今回、「コース上で不適切な行為があった場合は、ポイント剥奪を含む厳しい処置を行う」旨の警告を行った。それ自体はスポーツ規約に明記されている事項だが、あえて周知させた形だ。
──FIAのこの警告を、どう思いますか。
ハミルトン:今までにも起きてきたけど、スチュワード側は事前に予防措置は講じてなかったと思う。だからこういうことはフェアだし、そんな措置が実行されないことを望むだけだよ。僕らは素晴らしいレースをして、前進するだけだから。自分の仕事をするためにここに来ているし、スチュワードにはこういうことで会いたくない。彼らもそう思ってるだろうし(笑)。
フェルスタッペン:スポーツ規約のその事項はもちろん承知しているし、今週末改めて周知する必要はないと思うよ。
ときおり笑顔を見せてリラックスした感じのハミルトンに対して、フェルスタッペンは終始硬い表情だった。今回の通達は自分を標的にしているという思いからか。
いずれにしても自分のベストを尽くすだけ、というふたりの思いに偽りはないに違いない。しかし最終レースも熱い戦いになることだけはまちがいないだろう。
(取材・まとめ 柴田久仁夫)
関連ニュース
| 12/5(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
| フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
| 12/6(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
| 予選 | 結果 / レポート | |
| 12/7(日) | 決勝 | 結果 / レポート |
| 1位 | ランド・ノリス | 423 |
| 2位 | マックス・フェルスタッペン | 421 |
| 3位 | オスカー・ピアストリ | 410 |
| 4位 | ジョージ・ラッセル | 319 |
| 5位 | シャルル・ルクレール | 242 |
| 6位 | ルイス・ハミルトン | 156 |
| 7位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 150 |
| 8位 | アレクサンダー・アルボン | 73 |
| 9位 | カルロス・サインツ | 64 |
| 10位 | フェルナンド・アロンソ | 56 |
| 1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 833 |
| 2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 469 |
| 3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 451 |
| 4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 398 |
| 5位 | アトラシアン・ウイリアムズ・レーシング | 137 |
| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 92 |
| 7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 89 |
| 8位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 79 |
| 9位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 70 |
| 10位 | BWTアルピーヌF1チーム | 22 |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10/26 |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11/9 |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11/22 |
| 第23戦 | カタールGP | 11/30 |
| 第24戦 | アブダビGP | 12/7 |


