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レッドブル・ホンダ密着:メルセデスの再審請求は棄却、14ポイント差のまま残る3戦へ。初日はDRSに問題発生も3番手

2021年11月20日

 2021年F1第20戦カタールGPの木曜日の昼過ぎ、コースの下見を最終コーナーから逆回りで行っていたら、レッドブル・ホンダのチームシャツを着た一団が前方からやってきた。

レッドブル・ホンダ密着
コースウォークを行うレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンとチームクルー


 今シーズンは角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)がサーキットウォークをしている写真を撮ろうと、できるだけ下見を兼ねてコースを1周している。アルファタウリ以外ではウイリアムズ、ハース、アストンマーティンの姿はよく見るが、レッドブル・ホンダのドライバーがサーキットウォークをしていたのは、オランダGPが行われたザントフォールトぐらいしか記憶がない。


 ザントフォールトもF1初開催だったから、やはり初めてのコースは実際に歩いて確認したいのだろう。ただし、ドライバーが行うサーキットウォークにはコースの下見を行うという実務的な目的のほかにドライバーとエンジニア間のコミュニケーションを密にしたり、気分をリフレッシュするといったメンタル面を考えて行うケースも少なくない。マックス・フェルスタッペンのケースも、その一団のなかにエンジニアに混じって父親のヨスが加わっていたところを見ると、ブラジルGPで味わった屈辱的敗戦から気分を一新させるために行っていた可能性が高い。

レッドブル・ホンダ密着
マックスの父ヨスもコースウォークに同行した


 フェルスタッペンの一団の後方からは、セルジオ・ペレスの一団もやってきた。ペレスの右手には何枚もの資料があるのを見ると、こちらは真剣にコースの下見を行っていた様子だった。

レッドブル・ホンダ密着
カタールでの走行経験があるペレスもコースを下見


 初めてF1が開催されるロサイル・インターナショナル・サーキットは、F1ドライバーにとっても未知のコース。ただし、ただひとりペレスは2008-09シーズンのGP2アジアシリーズで、このコースを走った経験がある。しかも、2009年2月14日のレースでは優勝を経験している(2位ヴィタリー・ペトロフ、3位ニコ・ヒュルケンベルグ)。


 ちなみにペレスによれば「走ったことはあるけど、かなり前のことで、あまり覚えていないので、アドバンテージにはならないと思う」という。初日のフリー走行2回目ではリヤウイングのDRSに問題を抱え、8番手に終わった。


 フリー走行1回目でフェルスタッペンがトップタイムをマークした後、FIAはブラジルGPの48周目に起きたフェルスタッペンとルイス・ハミルトン(メルセデス)のバトルを不問に伏した件に対してメルセデスが行っていた再審請求に関する結論を発表。ブラジルGPのスチュワードはメルセデスから出された新しい証拠は「関連性はあるものの重要ではない」と結論づけ、メルセデスの再審請求を却下した。


 これにより、ブラジルGPのフェルスタッペンの2位は確定となり、ハミルトンとの差も14ポイントのまま変わらず、残り3戦を戦うこととなった。


 スチュワードの裁定が出る直前に行われたFIA会見には渦中のメルセデスとレッドブルの両チーム代表が出席した。トト・ウォルフ代表とクリスチャン・ホーナー代表の距離が、この2チームの溝の深さを物語っていた。ただし、両者の表情はこの時点で対照的で厳しい表情のウォルフに対して、ホーナーはやや笑みを浮かべていた。その後、レッドブル・ホンダのホスピタリティハウスへ行くと、珍しくマックスがヨスと談笑していた。すでにこの時点で、レッドブル・ホンダ陣営はメルセデスの再審請求が却下されることを確信していたのではないか。

レッドブル・ホンダ密着
会見場を後にしたホーナー(右)。前方ではウォルフが歩いていた

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ウォルフとは対照的に、笑顔を見せたホーナー

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レッドブルのホスピタリティハウスでは、珍しくマックスとヨスが談笑していた


 フリー走行2回目で3番手につけたフェルスタッペン。4番手ハミルトンとの差は、100分の72秒。接戦を繰り広げる2人の戦いが、残り3戦もコース上で決着することを祈りたい。



(Masahiro Owari)


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