F1日本GPは土曜の最終予選が行われ、セッション終盤に雨が降る波乱の展開の中、フェラーリのルーベンス・バリチェロがポールを獲得。トヨタ勢が3位、4位につけ、2列目を独占した。
午後12時50分、曇り空から雨がポツポツと落ちて来た。
午後1時半から15分のウォームアップは路面温度25度。雨は霧雨に近い状態で、全車ドライタイヤで走行。セッション終盤にはフェラーリ、パニスらがウェット(実質的に雨晴れ兼用のインターミディ)をトライする。
ウォームアップでトップタイムを出したのはウイリアムズのファン−パブロ・モントーヤで、1分33秒211。2位クリスチアーノ・ダ・マッタ、3位ルーベンス・バリチェロ、4位フェルナンド・アロンソ、5位佐藤琢磨……と続く。ミハエル・シューマッハー、ヤルノ・トゥルーリ、キミ・ライコネンらはピットイン〜アウトを繰り返し、タイムらしいタイムは出ていない。
2時からの予選は雨が止み、ドライ・コンディションで始まる。トップランナー、ニコラス・キエーサは1分37秒226。2番手ヨス・フェルスタッペンはチームメイトのタイムを2.2秒も短縮した。3番手ジャンカルロ・フィジケラは、そのフェルスタッペンのタイムを辛くも0.06秒縮める。4番手ラルフ・ファーマンはフィジケラのタイムを0.1秒破ってトップに。昨年の全日本王者の意地を見せる。昨日不調に見舞われた5番手ジェンソン・バトンは立体交差下でタイヤをダートに落としたが、1分33秒474でファーマンのタイムを一気に1.3秒弱縮めてトップに立つ。ここまでは、後に走ったマシンが次々とタイムを塗り替えていく。
6番手、ジャガーのジャスティン・ウイルソンはこれまでの中でセクター2、3が最速で、バトンに0.08秒差に迫る2位。7番手に登場したトヨタのダ・マッタは全セクター最速で、バトンより1秒以上速く1分32秒419でトップに! 8番手に続くチームメイトのパニスはダ・マッタの0.44秒遅れの2位。タンクが若干重いのだろうか? 9番手、ハインツ−ハラルド・フレンツェンも立体交差下でダートに出て5位。
佐藤琢磨は10番手に登場するが、まるで“攻め過ぎ”のようにS字でフラつきまくり、シケイン進入でタイヤがロック、平凡なタイムに終わる。この時点で1、2位はトヨタ、バトン3位。続くザウバーのニック・ハイドフェルドはフレンツェンの上に入り、12番手のマーク・ウエーバーはセクター2最速でトヨタ勢の後ろに食い込む。
この頃から、やや雨が落ちて来る。13番手モントーヤはセクター1、2、3最速でダ・マッタを1000分の7秒差に下してトップに立つ。14番手バリチェロは全セクターでモントーヤのタイムを破って1分31秒台に入ってトップ。モントーヤとの差は0.7秒弱もある。15番手アロンソは1.3秒落ちで、トヨタ勢の後ろ。この時点で佐藤琢磨は11位。コントロータワー脇の“山田池”を雨の輪が覆う。だんだん雨足が強くなってきたのだ。
16番手に登場したライコネンは、ドライタイヤのまま。セクター1でバリチェロより0.9秒遅かったがセクター3は最速。しかし、ジャガーにもタイムが及ばない。続くチームメイトのデイビッド・クルサードはライコネンを上回り7位。
しかし、18番手に登場したミハエル・シューマッハーはコーナーのクリッピング・ポイントにつけず、セクター1で1秒遅く、なんと佐藤琢磨の後ろ、14位となってしまった。
19番手ラルフは雨の餌食かセクター1で早くも2秒遅れ。シケインでスピンし、アタックをあきらめてピットに入り、ノータイムとなった。ラストアタッカーのトゥルーリもアタックをあきらめ、そのままピットに入ってこれもノータイム。
バリチェロがブラジル、イギリスに続く今季3回目・通算9回目のポールポジションを獲得。2位モントーヤ、3、4位にダ・マッタ、パニスのトヨタ勢で2台ともに2列目を獲得するのは過去最高のポジションだ。
上位3人は、偶然にもすべて南米出身のドライバーとなった。ライコネン8位、佐藤琢磨は13位、ミハエル・シューマッハーは14位、ラルフ・シューマッハー19位、トゥルーリ20位という番狂わせの予選だった。