F速

  • 会員登録
  • ログイン

F1技術解説イギリスGP(1)遅れを取るメルセデスが満を持して投入したアップデート

2021年7月28日

 2021年F1第10戦イギリスGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点について解説する。今回は、メルセデスがレッドブル・ホンダとのギャップを縮めるべく投入したアップグレードを取り上げる。


────────────────────────────────


 メルセデスが久々に、大型アップデートを投入した。シルバーストンに持ち込んだ新仕様は、主に車体両脇、サイドポッド周辺の空力パーツだった。まずバージボードから延長されたデフレクターは、より外側へと気流を導く(「アウトウォッシュ」を強調した)デザインとなった。フロントタイヤの巻き起こす乱流の影響を減少させることが目的だ。


 ベネチア様式ブラインドに例えられるウイングレットは前後方向に延長され、より外側に、そしてより上方に気流が流れるように変更が施された。その前方にある垂直のデフレクターをほぼ半分の高さにしたことで、これらウイングレットの空力効果はいっそう増したはずだ(黄色矢印参照)。


 またサイドポッド脇のデフレクターは、サイドポッド上部と一体化されたものから分割されたデザインになった(赤矢印参照)。その結果、先端が上向いたウイングとメインデフレクターがより効率よく気流を制御できるようになった。デフレクター下部の形状も見直されている(青矢印参照)。

メルセデスF1 W12 バージボードエリアの比較
メルセデスF1 W12 バージボードエリアの比較


 メルセデスの技術陣は、フロアにも改良を施した。ディフューザーの発生するダウンフォース量を増大させて空力効率を上げることが、一番の目的だった。ただし今回のフロア周りの改良の大部分は、すでにライバルチームが以前に投入したものばかりに見える。


 まずW12の特徴だった、フロアエッジの波打つような形状が廃止され、より直線的なデザインになった(緑色ライン参照)。さらにすぐ上のフラップがダブルになって、フロントタイヤの起こす乱流がフロア下に入り込むことを防ぐ効果が増したはずだ(赤矢印参照)。

メルセデスF1 W12 フロアの比較
メルセデスF1 W12 フロアの比較

 それ以上に目立つのは、小さなデフレクターを何枚も追加したことだ。具体的には2グループに分かれた4枚ずつのデフレクターだ(黄色矢印参照)。とはいえこれらはメルセデスと同じローレイキコンセプトのアストンマーティンを含む、複数のライバルチームが何レースも前に投入したものばかり。なぜメルセデスはここまでフロア周りのアップデートを遅らせたのか、ちょっと理解に苦しむところだ。
(その2に続く)



この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています



(翻訳・まとめ 柴田久仁夫)


レース

5/30(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
5/31(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
6/1(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※スペインGP終了時点
1位オスカー・ピアストリ186
2位ランド・ノリス176
3位マックス・フェルスタッペン137
4位ジョージ・ラッセル111
5位シャルル・ルクレール94
6位ルイス・ハミルトン71
7位アンドレア・キミ・アントネッリ48
8位アレクサンダー・アルボン42
9位アイザック・ハジャー21
10位エステバン・オコン20

チームランキング

※スペインGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム362
2位スクーデリア・フェラーリHP165
3位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム159
4位オラクル・レッドブル・レーシング144
5位ウイリアムズ・レーシング54
6位ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム28
7位マネーグラム・ハースF1チーム26
8位ステークF1チーム・キック・ザウバー16
9位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム16
10位BWTアルピーヌF1チーム11

レースカレンダー

2025年F1カレンダー
第9戦スペインGP 6/1
第10戦カナダGP 6/15
第11戦オーストリアGP 6/29
第12戦イギリスGP 7/6
第13戦ベルギーGP 7/27
  • 最新刊
  • F速

    F速 2025年5月号 Vol.3 日本GP号