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レッドブル・ホンダ密着:セッティングが決まり出だしは好調も、空力アップデートを投入したメルセデスにわずかに届かず

2021年7月17日

 レッドブル・ホンダが5連勝を飾ったレッドブルリンクで、かつてレッドブルに在籍していたマーク・ウエーバーは、今後のタイトル争いについて、こう語っていた。


「シルバーストンは伝統的にメルセデスが得意としているサーキット。さらにメルセデスはイギリスGPでおそらくマシンをアップデートしてくるはず。かなり白熱した戦いになるだろう。前半戦の天王山になることは間違いない」


 ウエーバーが指摘したように、F1にパワーユニットが導入された2014年以降、シルバーストンで行われた8回のレースで、メルセデスはじつに6回優勝している。さらに予選では2013年から9戦連続でメルセデスがポールポジションを独占してきたコースだ。


 さらにウエーバーが予測したとおり、メルセデスはこのイギリスGPで空力をアップデートしてきた。メルセデスが今回投入した空力パーツは、前戦オーストリアGPから大幅な変更はないものの、多くのエリアで細かな修正が施されている。


 こうして迎えた2021年F1第10戦イギリスGPの金曜日、予選で最速タイムを記録したのは、メルセデスのルイス・ハミルトンだった。

ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第10戦イギリスGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)


 ただし、予選前のフリー走行1回目で最速だったのは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だった。フリー走行から予選の間に、なぜレッドブル・ホンダはメルセデスに逆転を許してしまったのか。


 その理由として考えられるのは、イギリスGPでF1史上初めて導入された約100kmのレース形式の『スプリント予選』と呼ばれる新たなセッションを採り入れた新しい週末のスケジュールだ。


『スプリント予選』の導入によって予選が金曜日に移動したことにより、チームとドライバーが予選前までに与えられたマシンセッティングの調整の時間はこれまでの60分×3回(フリー走行1回目、2回目、3回目)から60分×1回(フリー走行1回目)だけとなった。新しいスケジュールでは土曜日にフリー走行2回目が組み込まれているが、マシンは金曜日の予選開始後、最初にコースインした瞬間からパルクフェルメ状態が適用されるため、セットアップ変更は基本的に行えない。


 したがって、空力をアップデートしてきたメルセデスは、60分間のフリー走行では、タイムを出すことより、データを採集することを優先したと思われる。ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスがともに2回目のランで18周のロングランプログラムを採り入れていたことでもわかる。


 これに対して、レッドブル・ホンダはほぼセッティングが決まっていたことから、フリー走行1回目でハードタイヤとミディアムタイヤで5周から7周のショートランを行った後、予選を想定したソフトタイヤでのタイムアタックを敢行。セルジオ・ペレスは8番手だったが、フェルスタッペンはトップタイムをマークしていた。

セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第10戦イギリスGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)


 60分間のデータ収集後、メルセデスは予選と土曜日以降のスプリント予選とレースに向けた最適なセットアップ作業を開始。予選でレッドブル・ホンダがメルセデスに逆転を許した要因となったと考える。


 第7戦フランスGPから4戦連続での予選最速の座は逃したが、ポールポジションを逃したわけではない。新しいフォーマットではポールポジションを獲得するのは、スプリント予選で最初にチェッカーフラッグを受けたドライバーとなる。


「スプリント予選というレース形式で、決勝のグリッドが決まる。(ポールポジションは)明日取り返そうと思う」(フェルスタッペン)


 シルバーストンで2013年から9戦連続でポールシッターとなっているメルセデスとのポールポジションを巡る戦いは、まだ終わっていない。

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第10戦イギリスGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)

2021年F1第10戦イギリスGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第10戦イギリスGP セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)



(Masahiro Owari)


レース

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フリー走行2回目 結果 / レポート
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8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ63
10位ニコ・ヒュルケンベルグ35

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2位スクーデリア・フェラーリ584
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