アメリカGPの週末、スペインとイタリアのプレスは、フェルナンド・アロンソが、ミハエル・シューマッハーが引退した暁にはフェラーリに加入することにほぼ同意したと、大々的に報じた。
この話は各方面から大部分が否定されているにもかかわらず、スペインとイタリアのプレスは次のような見出しを掲げた。すなわち、ハンガリーで優勝したアロンソが、来年か(さらに可能性が高いのは)2005年に、フェラーリのラインナップに加わるというのだ。その時期は、シューマッハーがいつ、その輝かしいキャリアにピリオドを打つ決断をするのかによるという。
シューマッハーについては、現在のフェラーリとの契約満了以前に引退を決めるのではないかという見方が一般的だ。問題となるのは、それが来月の鈴鹿でチャンピオンを獲得したときになるのか、もう一年走った後になるのか、ということだけだ。後者になれば、アロンソがフェラーリに加わるのは容易になるかもしれない。彼は現在のところ、ルノーとの契約下にあるからだ。とはいえ、契約というものは、いつでも金で解決できるもののようだ。アロンソをフェラーリに加入させるために必要な違約金は1000万ドルと報じられているが、これは年棒およそ3600万ドルともいわれるシューマッハーの高騰したサラリーを支払っているチームにとっては、微々たる金額に過ぎない。
スペインの新聞、AS紙とマルカ紙は共に、アロンソが2005年にフェラーリに加入するだろうと報じている。2005年には、フェラーリチームは、ルーベンス・バリチェロを再雇用しないとすれば、2人のドライバーを探す必要が出てくるかもしれないのだ。AS紙によれば、アロンソは、ルノーでの今シーズンに満足していないという。アロンソは、同じくルノーのボス、フラビオ・ブリアトーレのマネジメント下に置かれているヤルノ・トゥルーリの方が、優先的な扱いを受けていると主張している。トゥルーリは、日曜のインディアナポリスで4位に入ったが、アロンソは今年4回目のエンジントラブルでリタイアした。これは、今年55ポイントを挙げ、3回の表彰台と1回の優勝をものにしているドライバーには相応しくない、とアロンソ自身が指摘している。
しかしながら、ウワサが加速するとともに、これを否定する動きも活発になっている。
アロンソのマネージャーであり、元F1ドライバー、現Fニッサンのチームオーナーのアドリアン・カンポスは、そんな憶測には何の根拠もないと語った。ただし、実際にシューマッハーが引退を決めれば、シューマッハーの代わりになるドライバーは、ほかには見あたらない、とも語っている。
「正直いって、私はアロンソのフェラーリ行きについては何も知らない」と、カンポスは、イタリアのガゼッタ・デラ・スポルト紙に対して語った。「私にとっては、みな単なる憶測だよ」
「フェルナンドは、あと2年ルノーとの契約がある。とはいえ、確かに、他の誰がフェラーリ入りに相応しいかというと、私には分からないがね。アロンソは、ベストのパイロットだし、フェラーリは真のパイロットに値するチームだ。彼は唯一の候補者だよ」
「しかしながら、いまのところフェルナンドは市場から外れている。2005年からは、何でも可能になるがね。彼が欲しければ、ルノーと話をつけなくてはならない。その後で、最終的な決定を下すのはドライバーだ」