ホンダF1田辺TD会見:前戦リタイアの角田のPUに「明確なトラブル」を発見。再発防止対策を取りモナコGPへ
2021年5月20日
1980年代後半から1990年代初めにかけて、ホンダとアイルトン・セナはモナコGPで多くの栄冠を勝ち取ってきた。セナの死後、ミハエル・シューマッハーやルイス・ハミルトンが次々に記録を塗り替えていったなか、通算6勝というモナコGP最多勝記録は、今もセナが保持し続けている数少ないものだ。
そのほとんどの勝利をホンダF1第2期の現場エンジニアとして体験してきた田辺豊治テクニカルディレクターは、モナコGPを「全グランプリのなかでもひとつ特別なレース」と言う。なかでも1992年のナイジェル・マンセルとの死闘をベストレースに挙げていた。
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──昨年のモナコGPは新型コロナウイルスの影響で中止され、2年ぶりの開催です。
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):モナコの最大の特徴はコース幅が狭く、タイトなコーナーが連続することです。抜きにくいコースということで、予選重視の週末になりますね。パワーユニット側では、ドライバビリティが大きな鍵を握ります。ドライバーの要求にきちんと応えられるか、ですね。
──ここまでメルセデスとレッドブル・ホンダの戦いは非常に拮抗しています。
田辺TD:なので、いっそう予選の重要度が増しますね。
──2年ぶりの開催ということで、事前データとしては2年前のものを参考にするしかないわけですが、その点でいつもより難しいところはありますか?
田辺TD:今季はパワーユニットが大きく進化したので、そこを加味した準備をしています。それと、今季初めての超低速コースですので、そこに向けての最適化の方が重要かもしれません。
──前戦のスペインGPでは、角田裕毅選手にエンジンシャットダウンと燃圧低下のトラブルが出ましたが、その後の対処はいかがでしょうか?
田辺TD:フリー走行中のシャットダウンは、そろそろ答えが出そうです。一方のレース中の燃圧低下は、パワーユニット側に明確なトラブルが発見されました。なので、ほかの3台にも再発防止の対策を取りました。
──パワーユニットを交換するほどのトラブルだったのですか?
田辺TD:そういう問題ではありません。
──ポンプ類の不具合など、そういうことではない?
田辺TD:違います。根本に関わるものではありません。
■ペレスからのインプットでドライバビリティの改善点が判明
──ドライバビリティに限れば、メルセデスよりホンダの方が優れているなど、単純比較は可能なのでしょうか。それとも車体との兼ね合いなので、一概に言えないのでしょうか。
田辺TD:ひとりのドライバーがメルセデスとレッドブル・ホンダを乗り比べれば明確に言えるでしょうが、そういうわけにもいかない。ただ(昨年までメルセデス製パワーユニットを使用していた)セルジオ・ペレス選手からのインプットで、我々の改善すべきところはわかってきています。
もちろんそれは、車体との組み合わせで出てくるところはあるのですが、ほかの3人からもドライバビリティ、コーナー立ち上がりでのトルクデリバリーについては、もう少しこうした方がいいという話は出ています。
それらへの対策案を持って、初日の走行に臨もうとしています。なので(ドライバビリティに関して)ホンダが格段にいいとか、逆にボロボロとか、それは言えないですね。
──田辺TDにとって、モナコGPはとりわけ思い入れのあるレースですか。
田辺TD:モナコという町の特別さ、ある意味かけ離れた世界ですから特別感はありますね。それとホンダF1第2期ではアイルトン・セナと数々の優勝を分かち合ってきた。なかでも1992年は、ナイジェル・マンセルとの死闘を制していますしね。そこは私のなかにも大きく残っていますし、全グランプリのなかでも、ひとつ特別なレースですね。
──一番忘れられないモナコGPは1992年だったと。
田辺TD:はい。ウイリアムズ・ルノーの戦闘力がどんどん高くなっていくなかで、セナが守り切って勝ってくれましたから。


(取材・まとめ 柴田久仁夫)
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| 4位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 331 |
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| 6位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 72 |
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