ホンダがパワーユニットを供給しているレッドブルの活躍を甘口&辛口のふたつの視点からそれぞれ評価する連載コラム。レッドブル・ホンダの走りを批評します。今回はF1第3戦ポルトガルGP&第4戦スペインGPの週末を甘口の視点でジャッジ。
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2021年シーズン初の2週連続開催は、メルセデスの2連勝に終わった。これでホンダの今シーズンの勝敗は1勝3敗となった。
開幕前のプレシーズンテストの結果から考えると、この2連戦はできれば2連勝、悪くとも1勝1敗で行きたかったところだろう。しかし、ドライバーズ選手権は94点でトップを走るルイス・ハミルトン(メルセデス)に対して、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は80点と、47点の3位のバルテリ・ボッタス(メルセデス)以下を大きく引き離して、マッチレースを展開している。
昨年のドライバーズ選手権の4戦目を終了した時点での差は、トップのハミルトンが88点で、フェルスタッペンは52点の3位だったことを考えれば、今年のホンダがいかにメルセデスに接近したパフォーマンスを披露しているかがわかる。
それはポルトガルGPとスペインGPの予選およびレース結果にも表れている。
ポルトガルGPは、2番手を走行していたフェルスタッペンがレース終盤に逆転優勝をあきらめて、ファステストラップの1点を取り入ったため、最終的なハミルトンとの差は29秒となったが、それがなければ、「最終的に5秒遅れくらいでフィニッシュできたと思う」(田辺豊治F1テクニカルディレクター)と言う。
昨年のポルトガルGPでフェルスタッペンは優勝したハミルトンから30秒以上遅れて3位でフィニッシュしていたことを考えると大きな前進といってよく、ホンダ田辺TDも「数カ月後ここに戻ってきての、われわれの戦闘力は昨年のポジションと比べると、今年の開幕1、2戦同様、(メルセデスと接近していることを)裏付けになるような結果だった」と振り返っていた。
スペインGPでは予選で、メルセデスとのギャップを詰めていた。昨年のスペインGPの予選は、フェルスタッペンが3番手だったが、それはポールポジションのハミルトンからコンマ7秒遅れだった。それが今年のスペインGPの予選でフェルスタッペンは、1000分の36秒差。ボッタスを上回って2番手に食い込んだ。
「前戦ポルトガルでもコンマ何秒だったが、今回もわずかな差になったということを含め、(メルセデスとの差が)小さくなったことは非常に喜ばしいことだと感じています。ただ、とにかく追いつけ追い越せの状態は変わりなく、今後もパフォーマンスを上げて、さらに向上させていかないといけないと思っています」(田辺TD)
ホンダがメルセデスに追いつきつつあることは、間違いないことを確認できた2連戦だった。
(Masahiro Owari)