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「心から彼に勝ってほしかった」メルセデスF1に大きく貢献も、勝利を挙げられなかったミハエル・シューマッハー
2021年4月9日
長年にわたりメルセデスF1のチーフストラテジストを務めているジェイムズ・ボウルズは、ミハエル・シューマッハーが3年間のチーム在籍中に手にできるはずだった1勝をつかめなかったことに非常に心が痛んだと語った。
2009年終盤のブラウンGP買収によりワークスチームとしてF1復帰を果たすことになったメルセデスは、7度の世界王者であるミハエル・シューマッハーに対して、新加入のニコ・ロズベルグと組んで戦いの場へ戻るよう説得し、契約に成功した。
F1に再参戦して最初の3年間、メルセデスはコンストラクターズランキングで常に5位以内を確保し、2010年から2013年末までのあいだで6度の表彰台を獲得したが、そのうち5度はロズベルグによるものだった。ロズベルグはまた、2012年のF1第3戦中国GPでチームに初のポールポジションをもたらしている。
ただしボウルズには、2012年第6戦モナコGPでチームにとって2度目のポールポジションをつかんだシューマッハーの走りが、今日に至るまで際立って記憶に残っている。
悲しいかな、このときシューマッハーは見事な戦いぶりを見せたにもかかわらず、決勝ではライバルたちを抑えて最前線からスタートすることができなかった。なぜなら、前のレースでペナルティを科されて、5グリッド降格が決まっていたためだ。
ボウルズと、やはり2012年当時すでにメルセデスの一員だったスポーティングディレクターのロン・メドウズ、チーフエンジニアのサイモン・コール、そしてトラックサイドエンジニアリングディレクターのアンドリュー・ショブリンが、F1のポッドキャスト『Beyond the Grid』の最新回で、シューマッハーの功績について語り合った。
「あれは、おそらく彼の人生で最高の走りのひとつだったと思う。私は飛びあがって喜んだよ」と、ボウルズが当時を振り返った。
「しかし、それから本当に心が痛んだ。あの場にいた誰もが、そしてファクトリーの全員が彼の優勝を願っていた。率直に言って彼はそれに値する仕事をしていたからだ。自分の人生をかけてこのチームをより良くしようと取り組んでいた。見返りが与えられてしかるべきだったし、シーズンを通してみても、あのときがそのチャンスだった」
「まさにそのレースで彼が降格ペナルティを適用されたことが、私には残念でならない。彼がチームに注ぎ込んだ努力を思うとき、それに見合う成績を手にできず悔しかっただろうと思ったし、今でもそう思っている」
■「メルセデスが常勝チームになったのは、シューマッハーのおかげでもある」
メルセデスに在籍した3年間で1勝も上げられなかったシューマッハーだが、メドウズは、F1のレジェンドである彼が、復帰してからの数年間でチームをその後の優勝常連チームに押し上げた功績について強調した。
「我々が強くなることに彼がどれほど貢献してくれたのかを考えれば、間違いなく私にとっての痛恨事は、ミハエルの優勝が見られなかったことだ。あの時点で、彼は我々が一緒に働いてきたなかでも異なるレベルのドライバーだったのだから」とメドウズは述べた。
「我々全員が、心から彼に勝ってほしかった。だがそれは起きなかった。それから数年たって、我々は常勝チームとなった。それは彼のおかげでもある。いま我々が勝てているのは、我々をより良いチームにしてくれた彼の功績に負うところが大きい」
ボウルズは、後から振り返ったときに、年齢も勝利を妨げた要因のひとつだと考えている。F1での最終シーズンに臨んだ時点で、シューマッハーは43歳になっていた。
「あのころは気づかなかったが、彼をとてつもなく強いドライバーにした要素を、今我々も身につけている。一方で、彼は自分の弱点も分かっていた。彼はそれを受け止めて、改善に向けてつねに努力し続けていた」と、ボウルズは語った。
「ニコと比較したときに、彼の走り方にはいくつかの欠点があった。しかし、彼はそれらについて自覚的で、是正するためにできることをやっていた」
「しかし実際には、その一部は彼自身ではどうすることもできない年齢という要因だった。あのとき彼も、もう潮時だと感じたのだと思う」
「心から彼に勝ってほしかった。そうすれば、最後の1年が彼にとって素晴らしい年になっていただろう」
(autosport web)
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7位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 58 |
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