最新記事
- ポールから2位のフェルスタッペン、ペナルテ...
- 角田裕毅、親友ガスリーとの接触でリタイア「...
- 角田裕毅、ガスリーとの接触について調査を受...
- 【F1第5戦決勝の要点】ピアストリがランキン...
- ピアストリ、今季3勝目でランキング首位浮上...
- 【正式結果】2025年F1第5戦サウジアラビアGP...
- 「2週連続Q3はポジティブ」「まずまずの挽回...
- 「現時点ではこれがマシンの最大限」「あれよ...
- Q3進出も、グリップの増した路面でRB21の限界...
- 【F1第5戦予選の要点】自らを「愚か者」と罵...
- フェルスタッペンがコースレコード更新のPP。...
- 【正式結果】2025年F1第5戦サウジアラビアGP...
F1技術解説レビュー レッドブル:2019年からの規約変更で苦戦もオーストリアGPのアップデートで覚醒
2020年1月14日
レッドブル・ホンダの初年度は、新たなパートナーであるホンダの戦闘力が当初は疑問視された。ところが弱さをさらけ出したのはむしろ、レッドブルRB15の車体だった。しかし第9戦オーストリアGPを境に、その後のレッドブルとホンダは着実に結果を出し続けた。
■ニューウィは、新規約への適応が苦手?
2011年来、エイドリアン・ニューウェイの手によるマシンは、後方に向かって車高が上がって行く、『高いレーキ角』が特徴だ。ディフューザーのボリュームを上げることで負圧が増大し、より多くのダウンフォースが発生する。さらにリヤサスペンションがしっかり機能していれば、ストレートの全開走行の際にはリヤが沈むことでフロアは水平に近い位置になり、ドラッグは軽減される。
ただし、欠点も大きい。一番の問題は、前後輪が巻き起こす乱流がフロア下に侵入しやすいことだ(青矢印参照)。その結果、フロア下のベンチューリ効果が大きな影響を受け、ディフューザーが期待した性能を発揮してくれなくなる。そのためエンジニアたちはフロア脇に複雑な切り欠きやデフレクターを取り付けるなど、いくつもの工夫を凝らしてきた。
マシン前部に関して言えば、前輪が起こす乱流をフロントウイングによって両脇に飛ばす、いわゆる『アウトウォッシュ』が2018年までは効果的だった。
■レッドブルに特に不利だった規約変更
しかし2019年の技術レギュレーションは、その乱流が追い抜きを厳しくするとして、大幅に制限した。独特なレーキマシンで強大なダウンフォースを発生していたレッドブルマシンにとって、アウトウォッシュは欠くことのできない武器だった。なのでその大幅な制限は、ライバルチームよりはるかに大きなダメージを、レッドブルに与えたのである。
クリスチャン・ホーナー代表は、低迷を続けたシーズン前半をこう述懐している。「マシン挙動は極端にピーキーになり、運転だけでなくセッティングも非常に難しくなってしまった。何が起きていて、それにどう対処すべきか理解するのに、われわれは非常に時間がかかってしまった。それがようやくできたのが、(シーズン初優勝を遂げた)オーストリアGPだったということだ」
レッドブルのフロントウイングはメルセデスと同様の、外側に向かって上がって行く形状である。ダウンフォースを稼ぐのに効果的だが、アウトウォッシュには向いていない。それでもフロアがほぼ水平で、ホイールベースの長いメルセデスW10は、そこまで厳密なアウトウォッシュを必要としない。シーズン前半の両者のパフォーマンス差には、そのことも大きく影響していたといえるだろう。
■モナコ、そしてフランスでのアップデート
そのハンデキャップ克服の最初の大きなステップが、第6戦モナコGPでのアップデートだった。フロア両脇に付けられた4つの小さなデフレクターが、フロア下部への乱流を防ぐ役割を効果的に果たした。1970年代に一世を風靡したグランドエフェクトカーの、サイドスカートと同じ原理と思ってもらえばいいだろう。
そして次の第9戦オーストリアGPで、レッドブル・ホンダはついに初優勝を遂げる。ここでも新たな空力アップデートとして、フロントウイングにいくつかの形状変更を行った。外見からは大きな変更とは思えなかったが、『フロントとリヤのバランスが格段に改善された』と、マックス・フェルスタッペンは手放しで評価した。具体的にはリヤが安定したことで、コーナー進入からクリップに向けて高い速度を維持できるようになったのである。
■賭けに勝ったレッドブル・ホンダ
数字の上でも最終戦までの9戦でレッドブルRB15は、最速マシンに比べて平均0.483%遅い。1周80秒のコースと仮定すると、約0.4秒の遅れとなる。獲得ポイントで夏休み前のオーストリアから第12戦ハンガリーGPまでは、平均20.33だったのが、ベルギーGP以降は19.22まで落ちている。ただしこれはスタート直後の度重なる接触事故など、車体性能とは直接関係ない要因が大きかった。
レッドブルは多くのシーズンで、開幕序盤は相対的な戦闘力でライバルに負けている。それが中盤以降盛り返し、最後には最強かそれにほぼ近いレベルのマシンに仕上げる。そんな独特のパターンを、2019年も踏襲したといえるだろう。そこにはトロロッソ同様、ホンダ製パワーユニットの貢献も大きかった。飛躍的に向上した信頼性の下、ホンダPUはどんどんパワーアップして行った。
しかし類似した空力コンセプトであるメルセデスとのパフォーマンス比較を見ると、メルセデスが苦手なサーキットでも被害を最小限に食い止めているのに対し、レッドブルはパフォーマンスの落ち込みが大きいことがわかる。2020年に本気でタイトル獲得を目指すのなら、シーズンを通して安定したパフォーマンスを発揮することが、何よりも重要だろう。
この記事は f1i.com 提供の情報をもとに作成しています
(翻訳・まとめ:Kunio Shibata)
関連ニュース
4/18(金) | フリー走行1回目 | 結果 / レポート |
フリー走行2回目 | 結果 / レポート | |
4/19(土) | フリー走行3回目 | 結果 / レポート |
予選 | 結果 / レポート | |
4/20(日) | 決勝 | 結果 / レポート |


1位 | ランド・ノリス | 77 |
2位 | オスカー・ピアストリ | 74 |
3位 | マックス・フェルスタッペン | 69 |
4位 | ジョージ・ラッセル | 63 |
5位 | シャルル・ルクレール | 32 |
6位 | アンドレア・キミ・アントネッリ | 30 |
7位 | ルイス・ハミルトン | 25 |
8位 | アレクサンダー・アルボン | 18 |
9位 | エステバン・オコン | 14 |
10位 | ランス・ストロール | 10 |

1位 | マクラーレン・フォーミュラ1チーム | 151 |
2位 | メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム | 93 |
3位 | オラクル・レッドブル・レーシング | 71 |
4位 | スクーデリア・フェラーリHP | 57 |
5位 | マネーグラム・ハースF1チーム | 20 |
6位 | ウイリアムズ・レーシング | 19 |
7位 | アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム | 10 |
8位 | ビザ・キャッシュアップ・レーシングブルズF1チーム | 7 |
9位 | BWTアルピーヌF1チーム | 6 |
10位 | ステークF1チーム・キック・ザウバー | 6 |

