ニュルブルクリンクでのレースから１週間と開けず、Ｆ１サーカスは第１０戦フランスＧＰを迎えるためマニ−クールのトラックへと集結する。
ドイツではうっぷんのたまるレースを強いられたものの、ジェンソン・バトンが２ポイントを得て報われたＢＡＲホンダ・チーム。今回は英ブラックレーのファクトリーにマシンを戻す時間がないため、バラしたばかりの車輌をフランスで再び組み直す作業に追われている。組み直しに必要な新たなパーツは、イギリスからマニ−クールに直送される。
マニ−クールはグランプリ以外にほとんど走る機会がなく、また冬季オフの間に最終複合コーナーが改修されたこともあり、ジャック・ビルヌーブは、最近の低迷から果たして抜け出せるのか不確定要素を残す。
「僕らはマニ−クールでテストをしないから、本当のところレースがどうなるのかよく分からない」とビルヌーブ。
「トラックの最後の２〜３コーナーが変更になったが、その後走るチャンスもなかったからね。コースは良くなったのか、そこでオーバーテイクができるようになったのか定かではない。他の車がトラックの新しい部分を走るところをＴＶで見た限りでは、オーバーテイクのチャンスが増えたようには見えなかったが、まあ走ってみないとね」
「熱いレースになって、ミシュランの地元だけにタイヤ戦争も激しくなると思うから、マニ−クールで僕らがどの程度の競争力を持てるのか、少し心配ではあるね。正直言ってあそこでのドライブはそう楽しみではない。レースはエキサイティングだけどね。アデレイドヘアピンはきついブレーキングになるから、オーバーテイクにはいいポイントになるはずだ」
チームメイトのバトンは昨年のフランスＧＰではルノーに乗り６位を獲得したが、その週末、同チームから放出されることを知った。今年は先のドイツ戦からしても、再びバトルを展開できそうだ。
「ニュルブルクリンクでは苦労の週末になったが、最終的には価値ある２ポイントを獲ることができて良かった。マニ−クールもまた挑戦しがいのあるレースになりそうだが、僕には面白いトラックだから楽しみにしてるよ」
ミシュランユーザーに有利になりそうなフランスＧＰだが、ブリヂストンにはトップ争いを可能にしてくれるタイヤをなんとか用意してくれるよう願う。
「フランスでは予選がとても重要。オーバーテイクがとても難しいところだからね。バンプのないトラックだから車高の低いセットアップでスタートするが、タイトなコーナーでは十分なグリップが必要になるし、ヘアピン出口ではトラクションも要る。ここでもまたグリップが重要な要素になるわけだが、ニュルブルクリンクよりはマシなレースになることを祈るよ。よりスムースな路面でより高速なコーナーがそろうトラックなので、より僕らの車に合うはずだ」
フランスＧＰプレビュー：ＢＡＲホンダ
