フェラーリのジャン・トッドは、日曜日にドイツのニュルブルクリンクで開催されたヨーロッパGPの結果を評して、2台が3位と5位でフィニッシュしたにもかかわらず、チームにとっては「おそらく今季最悪」のレースだったと語った。
「結果的にこれより悪いレースはあったかもしれないが、まったく優勝争いに加われなかったのは今回が初めてだ」とトッド。「確かにフェラーリはシーズン序盤の3戦では勝てなかった。しかし、そうしたレースでもコース上ではウチの2台が最速だった」「ところが、ニュルブルクリンクでは私たちは最速ではなかった。なぜそうなったのかを理解するには詳しい分析が必要だ。すでにおおまかな状況は把握している。私たちはブリヂストンを中心とするテクニカルパートナーと共に、さらにハードワークを続けなければならない」
すべてをタイヤのせいにするのは単純化のしすぎということだろうか? 「そうだ。タイヤメーカーを責めるつもりはないし、そうした態度は完全に間違っている」とトッドは言う。「私たちはタイヤの重要性を誰よりもよく知っている。彼らのおかげで、去年はすばらしいシーズンを過ごせたのだから」
その一方で、トッドは今回のレース結果がF1シーズンの現在の状況を正確に反映したものだと指摘する。「2002年にしても、フェラーリが17戦中15勝などという楽なシーズンになるとは予想していなかった。数多くの自動車メーカーと世界最大の2つのタイヤメーカーが参加していることを考えれば、今年のような状況の方がF1のあるべき姿に近いと思っている」「したがって今年の方が厳しい戦いになっている。ライバルチームもかなり進歩してきた。ただ、そうは言っても、私たちはまだ両方の選手権をリードしている。シーズン序盤につまずいたにもかかわらずね」
トッドはこのヨーロッパGPをどのように総括しているのだろうか? 「厳しいレースだった。誰にも最終結果を予測できないようなレースだったし、自分たちの成績についても、これで満足すべきだろうと思う。ミハエルはグラベルトラップでレースを終える可能性もあったのに、何とか5位でフィニッシュできたのだから」「ルーベンスが3位に入ってくれたので、ドライバーとコンストラクターの両選手権でポジションを守ることができた。どんなにがんばってもすべてのグランプリで勝つことはできない。今回は2台とも完走できたという事実が重要だ」
いまや最大のライバルはウイリアムズかとの質問に対して、トッドはこう答えた。「このGPを終えた時点ではイエスだ。しかし、エンジントラブルに見舞われるまではライコネンがレースをリードしていたことを忘れてはならないだろうね」