パナソニック・トヨタ・レーシングのドライバー、クリスチアーノ・ダ・マッタが、残り4周というところでリタイアを喫したヨーロッパGPを振り返った。
「ヨーロッパGPを完走できなかったのは残念だけど、それでもとてもポジティブな週末だったと感じている。ニュルブルクリンクでTF103をドライブするのは楽しかった。僕らのマシンパッケージは特にラップ中盤の高速コーナーでコンペティティブだったからね」「ニュルブルクリンクを走るのは1996年以来だった。その年のF3000レースに出たんだ。だから金曜日の最初のセッションの大半は、コースを覚え直すことに費やした。最初のセクションは僕が最後に走ったときとは変わっていて、ちょっとこのレイアウトは低速すぎると思ったね。以前のS字の方がチャレンジングで好きだったよ。このセクションに車を合わせるのには少し時間がかかった。特にターン1のブレーキングは週末を通じてずっと不安定だった」「金曜午後の1ラップ予選は、僕がコースに出たときにはもう雨のおかげでまったく無意味なものになっていた。しかも僕がアタックに入ったところで(グルーブドタイヤでね)雨脚が急に激しくなり、もう悪夢以外の何ものでもなかったよ。ラップの前半でスピンしてしまって、チームからも危険だからやめるよう指示された。それでフィニッシュラインを通過せずにピットに戻ったんだ。おかげで土曜の午後には2番目にスタートして、まだ路面が“青い”うちに走るハメになった。それさえなければ、もっといいグリッドポジションを手に入れることもできたと思うよ」
「土曜日午前中の最初のプラクティスセッションで、僕は低速セクションの旋回中のアンダーステアに苦しんでいた。そこでチームメイトであるオリビエ・パニスのセットアップを使ってみることにした。そうしたら車のハンドリングがウソみたいに良くなって、やっと午後の予選に向けて準備完了という感じになれた」「路面がまだかなり滑りやすかったことを考えれば、僕の予選ラップは決して悪くはなかった。オリビエのタイムの近づけなかったのは残念だったけどね。彼は僕より0.6秒も速かったんだ。このセッションでの僕らのテレメトリーデータを見比べて、僕は初めてこのコースを速く走るいくつかの秘訣を発見した。それでもグリッドは10番手だったし、それなりにイケてたと思う。3戦連続で予選トップ10なのだから、それほどガッカリする必要はなかった」「レースではまあまあのスタートを切って、グリッドポジションどおりの順位で1周目を終えた。最初のスティントでは車は快調で、デイビッド・クルサードや目の前にいたオリビエにも付いて行けた。タイヤのグレイニングの問題はあったけど、それほどひどい状態にはならなかったし、車はとても安定していた。そして最初のピットストップも順調に終えたんだけど、その2周後に僕は再びピットに入ってノーズを交換しなければならなかった」「シケインにターンインするときに左側の縁石を深く踏みすぎて、みんながシケインをカットしないように立てられているボラード(樹脂製のパイロン)のひとつをヒットしてしまったんだ。ステアリングには何も感じなかった。でも、ウイングが壊れているのが見えたときには、正直言ってちょっとショックだったね」