BMWとウイリアムズF1が、5年間の契約延長を発表した。新たな契約は、現在の契約が切れる1年6カ月後の2005年から2009年の終わりまでになる。
今回の契約の特徴は、今まで以上に深い協力関係を図っていくことが謳われている点だ。打倒フェラーリを目標に、一流自動車メーカーのBMWは更なるリソースを、ウイリアムズF1は多岐に渡る専門知識を、それぞれ惜しみなく出し合って協力していく。
BMW F1プロジェクト委員のブルクハルド・ゴッシェル博士は次のように語った。「ウイリアムズF1と長期に渡って親密なコラボレーションが確立できることをとても喜んでいる」
「今回の新しい契約を機に、BMWとウイリアムズF1は協力関係を一層深めていくことになった。私たちは自動車メーカーとして、レーシングチームに対してただ受身の姿勢を保っているだけではない。私たちは互いに協力して、様々な可能性を切り開いていかねばならない。F1史上もっとも成功したチームと強く連携を結びながら能動的にサポートを行っていくことで、彼らスペシャリストたちの専門知識に寄与できるものと考えている。今回の新たな提携によって、私たちのF1プロジェクトが将来的に大成功を収めるものと信じている」
新たな契約の開始に伴って、BMWはウイリアムズに対し、2004年上旬の稼動を目途とする2基目の最新型風洞建設を含む多額の資金提供を行う。
チームのボス、フランク・ウイリアムズは次のように語った。「前例のない多額の資金がウイリアムズF1に提供されることになった。これによって新たな提携の成功に一層の期待がもてると喜んでいる。5年間の契約延長で私たちの関係は益々強化され安定性を増すことになった。更に多くのスポンサー獲得に向けて足場が整ったと考えている」
「2000年以来、BMWは私たちのエンジンパートーナーとして共に働いてきたが、彼らの仕事はとても素晴らしく、士気も極めて高い。新たな契約を機に、私たちはBMWから一層多くのリソースを引き出すことができるようになるだろう。彼らの技術能力とウイリアムズF1チームの勝利への意志が合わさることで、この関係が素晴らしい実を結ぶものと信じている」
長期間に渡る活発な議論が交わされた末に発表された今回の契約だが、BMWモータースポーツディレクターのマリオ・タイセンは、協力関係がどこまで強化されるのか、その具体的概要を示した。
「契約交渉が長引いたが、時間をとって問題を洗いざらしにすることができてよかった。BMWがF1に留まろうと決意した最大の要因は、専門知識を包括的に利用しながら拡充も図れるという点だった。弊社のF1施設をBMWエンジニアリング&リサーチセンターのすぐ近くに建てたのも、そのためだ」