今週末、ニュルブルクリンクを訪れるチーム・ザウバー・ペトロナス。スイスのチームながら二人のドイツ人ドライバーを擁するため、当地はほとんどホームレースといえ、地元観衆の声援が待ち受ける。
ザウバーのテクニカルディレクター、ウィリー・ランプは、例えばドライとウエットが分単位で入れ替わる当サーキットの難しさをこう語る。「2002年のレースで1コーナーに新しいセクションが足されたものの、ニュルブルクリンクの特性はそれまで通り残り、同レベルのダウンフォースを使っている。コーナーが多いためダウンフォースは非常に高い」
「1コーナーと2コーナーはかなり幅が広くラインがいくつもあって、オーバーテイクのチャンスになる。レースでのオーバーテイクを考えてストレートスピードを上げるために、予選ではダウンフォースを多少犠牲にする必要もあるかもしれない」
「ニュルブルクリンクの難しさの原因によくなるのは、予測不能な天候だ。どんな驚くべき事態になるか分からないから、エンジニアは常にドライとウエットの両方のセットアップを備える必要がある」
ニック・ハイドフェルドのヨーロッパGP最高位は昨年の7位で、当時チームメイトのフェリペ・マッサに次ぐ順位だった。どちらかといえばツキはないながらこのトラックが好きだという彼。地元観衆に大いに元気付けられるためだという。
「ヨーロッパGPはホームレースのひとつだし、ドイツでレースをするのはいつだってうれしいよ。雰囲気もいいしファンもたくさんいる。昔しょっちゅう行っていたせいで特別な親近感もある。カートを始めたのもあそこだし、初めてのウエットレースもあのサーキットだった。それに僕の出身地にも近いから、ちょっと特別なのさ」
「あのサーキットはとても近代的な上、低速で少々難しい新シケインも僕好み。他の変更点がどう影響するのかも興味深いね。昔のビードルシケインは改修されて名前も変わったが、またあそこに完ぺきなコーナーを造ってくれたのかどうかぜひ確かめたい」
ハインツ−ハラルド・フレンツェンもまた地元ファンの声援を楽しみにしている。今週末は彼にとってGP150戦目という記念すべき節目になるのだが、当人は頓着していないようだ。
「僕にとってもホームレースのひとつだし、150戦目にもなるんだが、正直言って僕にはそれはどうでもいい」
「もちろん昔からよく知っているサーキットだよ。元々は高速で流れるようなコーナーがあったが、年月とともに変わり各所で低速になった。ドライビングは少し難しくなったね」
「新しい1コーナーはオーバーテイクが楽になったが、とても幅広い形状のおかげで、抜かれたドライバーが抜き返すのも楽だ。進入ラインは選択肢がたくさんある。去年は僕もあそこで何人か抜いたが、みんなに抜き返されたよ! 重要なのは続く2つのコーナーをきっちり回ることで、そうすれば抜き返されずに済むんだ」