F1速報

  • 会員登録
  • ログイン

F1 Topic:日本GPで不問に処されたベッテルの“ジャンプスタート疑惑”。前戦ロシアでペナルティを受けたライコネンとの違い

2019年10月21日

 2019年のF1第17戦日本GPでは、レース周回数が本来の53周ではなく、1周前の52周終了時にシステム上でチェッカーが出されるという混乱があった。しかし、それ以外にも、疑問が残るようなケースがいくつか見られた。


 そのうちのひとつが、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)の決勝スタートについてだ。決勝のリプレイ映像、そして車載カメラでは、スタートの合図となるブラックアウト(レッドランプ消灯)の直前に、ベッテルのマシンがわずかに動いていた。もし、ベッテルのスタートがジャンプスタート(フライング)だったら、1戦前のロシアGPでキミ・ライコネン(アルファロメオ)が受けたように、ドライブスルーペナルティが科されるはずだった。


 ところが、ベッテルのスタートは不問に付された。なぜ、ブラックアウトの直前に動いたにもかかわらず、レース審議委員会はベッテルにペナルティを科さなかったのか。レース後、FIAレースディレクターのマイケル・マシは、次のように説明した。

FIAレースディレクターのマイケル・マシ(右)
FIAレースディレクターのマイケル・マシ(右)


「各マシンに取り付けられている、FIAが供給するトランスポンダーのデータでは、ジャンプスタートとは判断されなかったのだと思う」


 F1マシンにはトランスポンダーと呼ばれる小型の発信器装置が搭載されていて、それがコントロールライン下に埋め込まれたセンサーによって読み取られることでタイムが計測されるシステムとなっている。スタート時には各グリッドの地面に埋め込まれた受信機がマシンの動きを監視する。


 ただし、スタート時、F1マシンは完全に静止しているわけではなく、ドライバーがコクピット内でスタートに向けた準備をしている際に、わずかに動くこともあるため、許容範囲が定められている。


「そのため、日本GPでのベッテルの動きは、許容範囲内と判断され、システムがジャンプスタートとは判定しなかった」とマシは説明した。


 しかし、その後、車載カメラの映像を通して、ベッテルにジャンプスタートの疑いが浮上すると、レース審議委員会は審議を開始。FIAのデータを精査する。午後2時13分にスタートしたにもかかわらず、審議が開始されたのが午後2時27分と、14分後だったのはそのためだった。

14時27分にセバスチャン・ベッテルのスタートについて審議開始
14時27分にセバスチャン・ベッテルのスタートについて審議開始


 そこでレース審議委員会は「車載カメラの映像では動いたことが示されているが、その動きはF1のジャンプスタートシステムの許容範囲内であった」と判断し、不問に付した。


 これは2017年のオーストリアGPでのバルテリ・ボッタス(メルセデス)のスタートが、ジャンプスタートと認定されなかったのと同じ理由だ。つまり、F1におけるジャンプスタートの定義とは、陸上競技やスピードスケードのスタートとは違って、グリッド上の白線内でわずかに動いても、それで即ジャンプスタートと認定されないシステムとなっている。


 逆にロシアGPでのライコネンのケースは、グリッド上の白線を大きく超えてしまったため、システムが「ジャンプスタート」と反応した。ベッテルとライコネンの差は動いた後に止まったかどうかではなく、どれだけ動いてしまったかが問題となったわけだ。


 つまり、ベッテルの審議は遅れたわけではなく、元々システム上ではジャンプスタートではなかったものを、映像を見たレース審議委員会が念のために調査し、最終的にシロという裁定を下しただけ。「フェラーリだから……」という推測は、この場合、まったく当てはまらない。



(Masahiro Owari)


レース

12/6(金) フリー走行1回目 結果 / レポート
フリー走行2回目 結果 / レポート
12/7(土) フリー走行3回目 結果 / レポート
予選 結果 / レポート
12/8(日) 決勝 結果 / レポート


ドライバーズランキング

※アブダビGP終了時点
1位マックス・フェルスタッペン437
2位ランド・ノリス374
3位シャルル・ルクレール356
4位オスカー・ピアストリ292
5位カルロス・サインツ290
6位ジョージ・ラッセル245
7位ルイス・ハミルトン223
8位セルジオ・ペレス152
9位フェルナンド・アロンソ70
10位ピエール・ガスリー42

チームランキング

※アブダビGP終了時点
1位マクラーレン・フォーミュラ1チーム666
2位スクーデリア・フェラーリ652
3位オラクル・レッドブル・レーシング589
4位メルセデス-AMG・ペトロナス・フォーミュラ1チーム468
5位アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1チーム94
6位BWTアルピーヌF1チーム65
7位マネーグラム・ハースF1チーム58
8位ビザ・キャッシュアップRB F1チーム46
9位ウイリアムズ・レーシング17
10位ステークF1チーム・キック・ザウバー4

レースカレンダー

2024年F1カレンダー
第19戦アメリカGP 10/20
第20戦メキシコシティGP 10/27
第21戦サンパウロGP 11/3
第22戦ラスベガスGP 11/23
第23戦カタールGP 12/1
  • 最新刊
  • F1速報

    Rd22 ラスベガス&Rd23 カタール&Rd24 アブダビGP号