BMWウイリアムズF1チームは、再びヨーロッパで行われるF1第9戦に臨むため、かのニュルブルクリンクを訪れる。ドイツ、エイフェル地区の歴史ある同サーキットは、安全性向上のため昨年改修され、伝統と近代化を併せ持つトラックとなった。
しかしドライバーとマシンには依然として厳しいサーキットであり、勝利のためには、マシンバランス、ブレーキの安定性、トラクションと、全ての要素が揃わなければならない。
モナコ、カナダとこのところ予選でもレースでもFW25の競争力は急激な向上を示しており、ドライバーズ/コンストラクターズ両選手権のポジション固めのためにも、このレースではこの好調の波を維持向上させたいところだ。
ラルフ・シューマッハーにとっては自国レースのひとつでもあり、ニュルブルクリンクは好きな場所だという。最近の快調ぶりから3戦連続のポール獲得を狙うも、シーズン初優勝獲得には触れずに語る。
「来週末ニュルブルクリンクに行くのを本当に楽しみにしてる。僕が育ったケルペンにすごく近いということもあるけど、FW25がますます改善されてリザルトを上げているのが大きな理由だ」とラルフ。「きっと僕だけでなくチームのみんなが同じように、大いに意欲的になっているはずだよ」
「若い頃は時間ができるたびにニュルブルクリンクに行ったものだけど、最近のコース改修のずっと前からF1レースが行われていたなんて、今となっては信じがたいね。1周20kmのコースにランオフエリアがまったくなかったんだから、あそこでF1レースを走るなんてすごく恐いことだったと思うよ。ニュルブルクリンクでは17回のレース経験がある。初優勝は93年にBMWエンジンのフォーミュラ・ジュニアで獲った。F1での表彰台はまだだけど、最近のマシン開発が功を奏していいリザルトにつなげられたらいいね」
ファン−パブロ・モントーヤもまた自信を深めている。ジル・ビルヌーブ・サーキットでは序盤のスピンから巻き返し、勝者ミハエル・シューマッハー、2位のチームメイトに続く3位まで挽回して見せた。
「このところの好結果に勇気づけられて、チーム内のヤル気は今までになく高まっている」とモントーヤ。「勝つと俄然雰囲気が良くなるのだと今週のシルバーストン・テストで感じたし、より良いリザルトにつなげる好環境を作ることにもなる」
「なのでドイツにはみんな楽観的な気分で行けるし、あそこはすばらしいドライバーズサーキットだから特に僕は楽しみにしている。昨年のレースでコース改修されて以来オーバーテイクポイントが増え、ドライバーにはより面白いレースになり、ファンはより迫力を楽しめるようになった。去年はラルフと僕がフロントロウを取って、2年前は僕は2位に入ったし、今回もきっといい成績を挙げられる自信がある」