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F1 Topic:マネージメントの欠如を露呈したフェラーリが、ロシアGP決勝で犯していたもうひとつの失態

2019年10月8日

 F1第16戦ロシアGPでフェラーリは、自らのマネージメント能力が欠如していたことを露呈してしまった。


 それは、レース中にシャルル・ルクレールとセバスチャン・ベッテルをチームオーダーによってコントロールできなかったことだけでない。レース後に行われたフェラーリの会見でも、チーム側とドライバーとの間で、言い分が異なっていたからだ。


 レース後、フェラーリは予定していた会見を通常より10分早く開いた。しかも、場所は通常行われているフェラーリのホスピタリティハウスではなく、2つ隣にあるFOMのホスピタリティハウスを間借りして開かれた。出席者は予定通り、ルクレールとベッテルのふたりのドライバーに加えて、チーム代表のマティア・ビノットの3人だ。


 多くの記者が質問したのは、レース前の取り決めがどうなっていたかで、それについてはこれまで報道されているとおりで、ベッテルが言うように「確かに取り決めはあったが、何か誤解があったかもしれない。それについては、今後、チームと話し合うつもりだ」というように、会見では灰色のままだった。


 もうひとつ、注目を集めた質問が、ピットストップでの順位の入れ替わったことについてだ。チームオーダーがうまく行かなかったから、ピットストップで故意に順位を入れ替えたのかという質問に、ビノットは明確に否定した。


「セバスチャンを入れたのは、(ハミルトンの)アンダーカットを未然に防ぐためで、シャルルをステイアウトさせたのは、ハミルトンの様子をうかがうためだった」(ビノット)


 ところが、この会見の直後にフェラーリが出したリリースで、ルクレールはこう述べるのである。


「正しいタイミングで順位を入れ替えることを狙い、セブ(ベッテル)がピットに入ったので、それを実行した」(ルクレール)


 つまり、ピットストップによるポジションの入れ替えは、チームの指示だったことを示唆したのだった。


 ロシアGPでのフェラーリはチームオーダーばかりが注目されたが、じつはそれ以外にもフェラーリは失態を犯していたと指摘するのは、メルセデスのあるエンジニアだ。


 それはレース中盤にバーチャルセーフティカー(VSC)がルイス・ハミルトン(メルセデス)に有利な形で入り、事実上トップを独走していたルクレールが2番手に落ちたときのことだ。直後にセーフティーカーが導入されると、フェラーリはセーフティーカー明けのレース再開に備えて、ハミルトンと同様、ソフトタイヤへ交換させるためルクレールを再度ピットインさせた。これにより、ルクレールはバルテリ・ボッタス(メルセデス)にも先行を許し、3番手に後退した。この作戦がメルセデス陣営にとっては謎だと言う。


「ソフトのほうがグリップ力があるから、残りのレースで履きたい気持ちはわかるが、ソチは同じタイヤでは抜けない典型的なコースだということは過去のレースを見ればわかるはず。あそこでポジションを1つ落としてピットインさせたのは、間違いだった」(メルセデス某エンジニア)


 ロシアGPでチーム代表がドライバーをコントロールできず、チームの戦略家がレースをコントロールできなかった現在のフェラーリ。果たして、鈴鹿でどこまで立て直しを図ってくるか注目したい。

2019年F1第16戦ロシアGP まずルクレールだけが会見場に到着
2019年F1第16戦ロシアGP まずルクレールだけが会見場に到着


2019年F1第16戦ロシアGP  続いて、ビノット到着
2019年F1第16戦ロシアGP 続いて、ビノット到着


2019年F1第16戦ロシアGP 最後にベッテルが笑顔で登場するも、2人は苦笑い
2019年F1第16戦ロシアGP 最後にベッテルが笑顔で登場するも、2人は苦笑い



(Masahiro Owari)


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