ヘビーウエットという悪天候のもとカナダGP予選1回目は行われた。全車ウエットタイヤを装着してのタイムアタックで、フェラーリの2台がフロントロウを独占し予選初日を終えた。
土曜日午後予選のアタック順を決める予選1回目のコンデションは雨。路面温度は16度と低く、全車エクストリーム・ウエット(超悪天候用)タイヤを履いてのアタックとなった。まずトップランナーのキミ・ライコネンがヘアピンでタイヤをロックさせながらも、1分35秒373をマーク。2番手ミハエル・シューマッハーはヘアピンを大回りするもライコネンのタイムをなんと約3秒も短縮し、1分31秒969。フェルナンド・アロンソはライコネンを抜いて2位。4番手ルーベンス・バリチェロはミハエルのタイムを1秒044も短縮し、トップに立つ。5番手ファン−パブロ・モントーヤは立体交差下過ぎでコントロールを乱し、コースオフ。バリチェロの6.5秒落ちでこの時点で最下位の5位。
6番手デイビッド・クルサードはターン3でコースオフ。しかしモントーヤを約1秒上回った。7番手ラルフ・シューマッハーはミスはなかったものの雨足が強くなったのがあだとなり、バリチェロの7秒落ち。8番手ヤルノ・トゥルーリは濡れた路面にマシンが振られ、トップと約10秒落ちのタイムに留まった。9番手ジャンカルロ・フィジケラは1コーナーをオーバーランするも、トゥルーリより速いタイム。10番手、モナコでクラッシュして決勝を棒に振ったジェンソン・バトンは慎重な走りでモントーヤとラルフの間に割って入った。
11番手のハインツ−ハラルド・フレンツェンは雨に強い定評があるが、3回カウンターを当てながらその時点で5位のタイムをマークする。12番手のマーク・ウエーバーも安定したアタックでモントーヤを上回る。クリスチアーノ・ダ・マッタは13人中11位のタイム。注目のビルヌーブは途中まで安定していたが、最終シケインでスピンし、360度ターン! 奇跡的にクラッシュは免れたものの13秒後れとあってはこの時点で最下位。15番手のニック・ハイドフェルドが見せた。フレンツェンと較べてまったく危な気ない走りでバリチェロに1.8秒遅れの3位に躍り上がった。
16番手アタックのラルフ・ファーマンはなんと4位! この時点でブリヂストン勢1〜4位独占である。午前中トップタイムのピッツォニアは雨のなかタイムが伸びず17位に沈んだ。パニスは10位と健闘をみせた。最後の2台、ミナルディは、ヨス・フェルスタッペンが11位! ジャスティン・ウィルソンは1コーナーとヘアピンを大回りするミスを出したがそれでもモントーヤに続く13位と健闘をみせた。
ブリヂストンがミシュランに対してエクストリーム・タイヤの威力をまざまざと見せつけた第1回目予選だった。雨はセッションを通じて止まず、路面温度は15度と低いままだった。