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【津川哲夫の私的F1メカ】熱波の欧州で際立つF1マシンのクーリング対策。パフォーマンスに加えて重要なのが『整備性』

2019年7月31日

 欧州で酷暑のグランプリが連続し、記録的な熱波に襲われたドイツGP。一時代前ならF1マシンの熱の処理、クーリング対策はもちろんエンジンが主体だった。だが、ターボやハイブリッドが追加され、今のF1のクーリングは極めて複雑な状況となっている。


 パワーユニット(PU)が導入される以前はウォーターラジエターとオイルクーラー、ギヤボックスオイルクーラーぐらいで済んだが、これがターボになるとインタークーラーが重要となり、さらにフューエルクーラーや、油圧機構のオイルクーラー等が増設され、さらには電気系のクーリング、ブレーキ関係のクーリングが追加されていた。


 パワーユニット搭載の現在ではこれに加えてMGU-H、MGU-K、ES(バッテリー)、EC(エレクトリックコントロール)等々、すべてが系統立ったクーリングシステムを持ち、液冷や空冷、ラジエター型や、液体を液体で冷やすもの、空気を空気で冷やすインタークーラーなどなど、数え切れないクーリングシステムがF1マシンに内蔵されている。


 それでももちろん、F1マシンは軽量コンパクトを限界まで実践できなければ戦闘力は上がらない。大きく、そして重いマシンはF1にはタブーなので、複雑になる一方のクーリングシステムは必要最小限で、コンパクトに狭いボディーワークの中に押し込まれている。


 現在のPUは6気筒1600cc、エンジン自体は小さく低くコンパクトで、エンジンの上面はモノコックの半分程の高さしかない。したがって絞り込まれたエンジンカバーのエンジン上部Vバンクの間には空間が出来る。だからこそ、ここにターボやコンプレッサーMGU-Hなどが搭載され、チャージタンクやインテークダクトも搭載される。


 現在のエアロ規則に対処するにはサイドポッドは思い切り低く細く絞り込み、エンジンカバーも両サイドを可能な限りスレンダーにするのがリヤエンドエアロの効率確保の常識的な処理。そして、そこで登場するのがセンタークーリングになる。


 コクピット後ろのロールフープを利用したインダクションボックスを大きくして、この導入空気を使ってエンジン上部の熱交換機器の冷却を目的とするのがセンタークーリングだ。


 このセンタークーリング、カウルが外れた時しかお目にかかれず、なかなか観る機会はないのだが、こちらの写真を見てほしい。インダクションボックスごと各種の熱交換機器を外したザウバー・アルファロメオの写真だ。


 アルファロメオはセンタークーリングをひとつのパッケージとして組んでいるのがわかる。この方式だと素早い取り付け取り外しが可能で、熱交換ボリュームの変更も比較的簡単にできるはずだ。気温40度に至ろうかという高温下では、こう言った整備性にもF1的対処が必要になると言うわけだ。



(Tetsuo Tsugawa)


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